経済入門No5
ミクロ経済の視点
物を生産は資源をもとに生産しています。資源は生産のもととなる原料のことです。原料はすべて自然界から調達します。自然界から調達したものに手を加えて原料とします。生産においては原料を投入して製品を製造します。しかし、資源は無限に存在するものではありません。消費し続けるといつかは無くなってしまいます。資源の中にはもともとの量が少なく、資源が不足しているものもあります。このような稀少の資源を使って生産するには、資源の配分を考えなくてはなりません。その上で市場に不足なく商品を供給しなければなりません。市場を混乱させない為には資源を上手く配分しなければなりません。
企業部門での生産では、稀少な資源を誰に配分するのか、誰がどれだけ生産するのか、生産物をどのように配分するのかといったことを考える必要があります。企業がどれだけの量を生産すれば、家計に過不足無く商品を届けられるのか？という問題は経済の課題です。社会全体で無駄なく資源を配分することを最適な資源配分といい、最適な資源配分が行われると、経済は理想的な状態（需要＝供給）になります。
経済学は限りある資源から、どのような物を生産して、そのように分配すれば、快適な暮らしが出来るかを研究するものです。ミクロ経済学では、この配分をどうしたら効率よく資源配分できるかを研究するものです。そのためには個々の取引がどのように行われているのかを解明することが求められます。つまり、ミクロ経済学では個々の取引に視点をおき、市場の働きと価格の決定を調べるもので、財の価格と市場均衡の関係など取引の仕組みについて研究します。
二つの市場
市場は貨幣を仲介役として交換取引で成り立っています。市場には財市場と労働市場があります。何れも貨幣との交換で取引が成立しています。財市場では企業が生産した財・サービスを家計が購入します（消費行動）。労働市場では労力が売り物です。家計の労力を企業に売ります。この二つの市場で貨幣の交換が行われ貨幣は循環します。企業は家計から労力を買い、その対価として貨幣を支払います。家計では取引で得た貨幣を財市場で物と交換します。財市場でも労働市場でも需要と供給のバランス（均衡）を保つことが必要です。財市場と労働市場とのバランスも大切です。貨幣の循環は二つの市場のバランスの上に成り立っています。
市場メカニズム
市場において需要と供給が等しく安定している状態を均衡といいます。市場がバランスを保っているときは価格も安定しています。しかし、時価（相場）で動くものは常に価格は変動しています。均衡と価格にはどのような関係があるのでしょうか？
市場において需要と供給が等しくないときには価格も安定せず、貨幣との交換比率が高い・安いという問題が生じます。市場が安定した状態とは、市場価格が変動することで需要と供給のバランスを自動的に調整して均衡させようとします。この市場の自動調整の仕組みを「市場メカニズム」といいます。市場メカニズムは商品の過不足を自動的に調整しようとするものです。市場メカニズムでは資源配分を最適に行うことができます。この市場メカニズムを支えているのが貨幣での調整能力です。取引は双方が満足したときに成立します。企業部門では利潤の最大化を図り、家計では効用（満足）の最大化を図ります。この双方の目的が一致したときに取引は成立します。この双方の満足を繋ぐのが「値段」です。市場メカにズムは値段により最適な生産量になるようになります。
平成２１年３月２６日
