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戦後の流通変化

目次を作りました。順番に見てね

流通の変化                   
 バブル崩壊後は消費の低迷といわれる長いトンネルに入いりました。しかし、ようやくこの不景気も終わりになりつつあります。じわじわと景気が上昇基調にあるからです。しかし、実感として感じるのは消費の低迷です。特に生鮮類などは顕著にその傾向が現れています。数での販売が限界に来ています。市場は飽和状態になり、新しい販売のあり方を模索しています。この消費動向の背後にある経済情勢と照らし合わせて流通を考えてみることにします。

1,大量生産大量消費
 高度成長時代は社会全体が品不足の時代でしたが、生産技術が上がり大量生産の時代となっていきました。また、需要と供給の関係で商品不足から物価は上昇傾向にありました。人々は、商品を手にする為に一所懸命に働き、収入の向上により商品を手にすることができるようになり大量消費に拍車を掛けていきました。メーカーは作れば売れるという好景気な時代でした。それでも人々の欲求は止まることなく高まるばかりでした。このようにして売り手市場の流通形態が確立されていくことになりました。

2,商品飽和
 大量生産大量消費がもたらしたものは、欲しい時に欲しい物が手に入るという物質世界でした。物質世界では商品が飽和すると、しだいに流通の速度が鈍りマーケットは縮小していきます。しかし、物価の上昇で商品を手にすることができるのは低価格なものでした。技術が発達してくると生産機械の能力も高くなっていき、低価格での商品供給が出来るようになってきました。

3,流通戦争
 商品が低価格で提供できるようになると、量の販売に拍車がかかります。各メーカーは自社商品のアピールと新商品の開発で、競争時代へと入っていきました。流通業界においては販売シェア獲得のために単価競争へという流通戦争に突入していきました。

4,ブランド志向化
 商品が潤沢にあり、資金も潤沢になると、人々はさらに高価なものへと欲求を高めていきました。ブランド化が進むなか、時代は高度成長時代からバブルへと移行していきます。このころには高価な商品が飛ぶように売れていきます。需要の拡大でさらに物価の上昇に拍車がかかって行きます。しかし、過激な経済発展で労働力の不足を招き、人材獲得のため賃金は高額へとなっていきました。この高額な賃金でさらに高額な商品流通が行なわれ日本経済は上昇気運しか感じなくなっていました。活発な経済はまさに売り手市場の流通へとなっていきます。

5,高性能化
 バブルの売り手市場になると、メーカーの競争はさらなる商品の高性能化になりました。商品に高機能を付加することで価値を高め売価を上げる。このように高機能商品開発に莫大な資金が注ぎ込まれていきました。このころになると商品には高機能とは別に使わない機能まで付随してきます。消費は商品の高価さを求めるだけの物的欲求へとなりました。

6,メガヒット
 バブルになれ消費が一段落してくると、ごく一部の商品が売れるというメガヒット商品がでるようになりました。しかし、これらの商品の共通していることは高価ということではなく「ゆとり」とか「こころ」とか「スローライフ」とかいう「癒し系」商品でした。人々の欲求は、物質欲から気持ちへの欲求へと変化していきます。このころからホスタビリティという単語が使われるようになってきました。

7,二極化
しだいにバブルは崩壊していきす。バブルがもたらしたものはマネーゲームと物質欲でした。その結果収入の二極化が進み、今まで日本になかった生活の格差が出てくるようになります。今までの日本の経済はそれほどまでに所得格差はなく全体的にまとまっていました。高度成長時代では所得は底辺レベルが上がり全体的な所得向上へとつながっていました。しかしバブルでは明らかに所得格差の拡大がみられるようになりました。この二極化で流通形態にも変化が生じてきます。今までになかった新しい商売形態でとにかく安いというディスカウント商法でした。このようにして流通もディスカウントとブランドという二極化になって行きます。ディスカウウント商法はとにかく売りまくるという物流戦法でブランド商法は高級という価値商法でした。ディスカウントは売上追及で利益を伸ばし、ブランドは品質で利益を追求していくものでした。

8,中抜き
 ディスカウントが増えだすとさらに単価競争へと拍車をかけていきました。1円でも安く売ってしかも利益を稼ぎ出すといった特殊な方法です。しかし、現実にこれを実行できる企業は少なく、少しでも流通単価を下げるために中抜きという中間業者を省く流通が新たに生まれてきました。これによって中間業者は、川上、川下というように生産者側か消費者側か、どちらの立場に立って商売を構築していくかが論点となりました。

9,市場流通の崩壊
 中抜きによって生鮮の市場乖離が進むなか、市場では生き残りを掛けた統合と閉鎖が囁かれるようになりました。しかし、市場の機能は薄れていくようになり、この結果先の市場法改正へとつながっていきます。

10,コンプライアンス 法の遵守
 商品が飽和状態になると人々の関心は物的欲求から品質的欲求に移り変わっていきます。それは同時に健康への関心にもつながっていきました。PL法に代表されるように品質の保証は製造責任という法律が出来てきました。また、同時に企業モラルを問われるモラルハザードなる単語も活字を飾りました。企業は国際基準であるISOやHACCPなどの取得を行ない企業防衛に力を注ぐようになりました。しかし、その一方で杜撰な運営が行なわれ、補助金や助成金などの搾取、偽造表示など非道徳的な営利目的を追求する企業もありました。消費者はこれらの経験から安全で安心できる商品の流通システムに関心が寄せ、品質の追求に関心を高めていきました。

11,トレサビリティ
 企業倫理が問われるなか、消費者の関心は安全、安心へと重点を置くようになりました。この結果生鮮三品では流通経路を明確にするため流通履歴を作成し添付するようになりました。所謂、生産者の顔が見える関係です。このことは今までの物的な量の販売(単価競争)から鮮度とか美味しさとかいう単純な品質のほかに安全であるという内容物的な品質の流通が求められるようになりました。また、今までの売り手から消費者へと流通の主導権が移っていきました。

12,働かない世代
 では、現在の経済はどうであろうか?平成17年8月の失業率は4.3%で改善されたものの以前高い数値である。また学校を卒業しても就職することを希望せず働かない若者(ニート)が増えています。このことに対して言われていることは物質的欲求がなく、欲しい物がないことが問題だとされています。また、これは物的な欲求のみならず精神的な欲求も失っています。夢や希望を見出すことができずに働けないでいるのです。豊かさがもたらした弊害だとされています。このようなことも消費に影響を与えています。

13,健康ブーム
 このような現状の中、人々の関心は健康へと向けられていっています。物質的欲求の次に来るのは精神的な欲求です。健康とかヘルシーとかいったような精神的なこころの充足です。今までの経済ではただ単に欲しいものを手に入れるといった一過性の物質的な欲求でした。しかし、現在の欲求は持続的な欲求です。ずーと健康でいたいとかいうような精神的なメンタルケアをもっている欲求です。見た目の品質から「内部的な持続価値」のある品質の追求へと変化して来ているように思えます。



今までの流通の変化を図式化してみます。
その時代に感じる流通形態の重要度の変化を示してみました。
・物的な流通の場合

物的な量:当初の流通形態は品不足からおきているので商品がゆきわたるまでは上昇傾向
      にありますが、商品がゆきわたると物量的な流通の重要度は低下して行きます。
単 価 :単価は物量と密接な関係があります。物的に市場が満たされると単価の役割が
      大きくなります。良い品をよりやすく仕入れるようになります。この頃に
      なると重要度は物量から単価へと変わっていきます。また、時代の経過とと
      もにディスカウントに見られるような一部での単価競争が激化します。
品 質 :物量、単価が満たされてくると品質の追求になります。よりよい物をより技術
      など価値の高い物へと。しかしこれらの品質とはその商品がもっている物質
      的な価値だけの品質です。収入の増加により人々の価値観は品質へと変わって
      いきました。
価 値 :物的な品質が満たされてくると内面的な品質の追求へと変わってきます。健康
      であるとかいうような精神的な価値です。この価値は今までのような一過性
      の欲求から来るものではなく、継続的な欲求からくる精神価値の追求です。
      今後はこの「精神的品質の価値」の流通へと重要度が増してくるものと思います。

簡単に時代の流れに沿った流通の重要度の変化を見てみると
 「物的な量」→ 「単価」→ 品質」 → 「価値」 となります。
しかしこれらは今も同時に流通形態の中に組み込まれています。時代とともに流通の複雑化と高度化が進行しているのです。
 以上は有形の流通形態の重要度について考えて見ましたが、流通にはこのほかに無形の流通もあると思います。
・無形の流通の場合
 サービス:無形の価値にはサービスという一方的な奉仕と相互関係の感謝というホスビタリティの二種類あります。時代の変化とともに相互関係であるホスビタリティが生まれ、現在の流通では、このホスビタリティの方に重点が置かれるようになってきています。

在庫調整
 上記までは時代の流れと流通の変化を見てきましたが、この時代の流れの中で注目しておきたい点は在庫のあり方です。大量消費の時代は同時に大量のロスも発生しておりました。バブル崩壊後は在庫調整で各企業が数年掛けて適正在庫へと調整をはかっていきました。また、次代背景も核家族からシングル世帯へ、品質改良による日保ち、貯蔵技術の向上による日保ち、そして消費者の必要な量だけ買う経済観念の向上により不良在庫は急激に減っていきました。この在庫調整が販売単価に影響を与えています。大量に作れば1個当たりの生産単価は下がりますが、売れないものを作って製造原価を下げても、売れないことにはコスト高になりなります。このように考えてみると適正な利益を上げるためには適正な在庫と販売量にあった単価設定が必要になります。        



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