ＧＤＰ No4
ＧＤＰとＧＮＩ（国民総所得）
ＧＤＰは国民総所得（ＧＮＩ）から海外の純所得受取を差し引いたものと同じ額になります。
海外にも日本人は進出しており、海外に在住する日本の居住者が産み出した付加価値があります。また、逆に日本の国内でも日本在住の外国の居住者が産出した付加価値があります。このような状況を含むか含まないかがＧＤＰとＧＮＩの違いです。
ＧＮＩ（国民総所得）＝ ＧＤＰ − 海外からの純所得受取
ＧＮＩは、日本国民が１年間に新たに産み出した財・サービスの付加価値の合計のことです。
・海外からの要素所得受取＝海外在中の日本の居住者が産出した付加価値
・海外への要素所得支払 ＝日本在住の外国の居住者が産出した付加価値
・海外からの純所得受取 ＝海外からの要素所得受取―海外への要素所得支払い
コメント
ＧＤＰやＧＮＩなどように頭文字に「Ｇ」が付くのはグロス（Ｇｒｏｓｓ）を表しています。また、国民総所得や国内総所得などのように「国民」と「国内」の違いは、海外からの純所得受取を含むかどうかにあります。
国民・・・は、海外からの純所得受取が含まれる
国内・・・は、海外からの純所得受取が含まれない
ＧＤＰとＮＤＰ（国内純生産）
ＧとＮの違いはグロス（総）とネット（純）です。ＧＤＰには「固定資本減耗」の金額を含みますが、ＮＤＰには含みません。
固定資本減耗とは、機会等の使用による価値の減価のことをいい、一般的に言われる減価償却費のことです。固定資本とは長期に亘る資本投下のことで土地や建物、機械など１年以上にわたり使用して資本を回収しようとする固定的な投資のことです。減価償却費も価値の使用に値するので消費（付加価値）として捉えます。
ＧＤＰ＝ＮＤＰ＋固定資本減耗
ＧＤＰとＧＤＥ（国内総支出）
ＧＤＥ（国内総支出）は支出からみた経済の大きさを表しており、消費、投資、政府支出、純輸出の要素から構成されています。
ＧＤＥ＝消費＋投資＋政府支出＋純輸出 となります。
消費は民間最終消費支出 投資は国内総固定資本形成＋在庫品増加額
政府支出は政府最終消費支出 純輸出は輸出―輸入 で表されます。
政府支出は政府による消費財の支払いや公務員サービスの給与等です。
整理
ここまでのことを整理してＧＤＰとの関係を表にしてみると
平成２１年３月１６日
