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中国水不足

目次を作りました。順番に見てね


ワールドウォッチジャパンより
中国、水不足で食料生産に打撃
Eco-Economy-Update 2007-6
 2001年8月に北京で発表された地下水の調査結果によると、中国の小麦の半分以上、トウモロコシの三分の一を生産する華北平原では、報告されていたよりも速いペースで地下水位が低下している。過大な揚水で浅い地下水層がほぼ枯渇したため、深い地下水層まで井戸を掘り下げざるをえなくなるが、先に述べたようにこうした深い化石帯水層は一般的には地質構造からして降水などで補充されない。
 中国では、地下水位の低下および耕地の非農業目的への転換と、工業化が急速に進む地域での農業労働者の減少によって、穀物生産が縮小している。小麦はおもに中国北部の乾燥地帯で栽培され、水不足にはとくに弱い。小麦の生産量は1997年の1億2300万トンをピークに、その後8年間のうちの5年が減産となっている。2005年は23%落ち込んで、9500万トンであった。
 北京のアメリカ大使館はまた、水不足を一因とする近年のコメの減産を伝えている。コメの生産量は1997年の1億4000万トンをピークにその後8年間のうち4年で減少しており、2005年は1億2700万トンまで低下すると見込まれる。現時点まででは、中国第三の主要穀物であるトウモロコシだけが減産を免れている。これは価格の好調さに加え、トウモロコシが小麦やコメほど灌漑に依存していないためである。
 中国の穀物生産は史上最高となった1998年の3億9200万トンから、2005年の推計3億5800万トンまで落ち込んでいる。減少分の3400万トンは、カナダの年間小麦生産量を上回る。政府は2004年まで、大量にあった在庫を放出して減産の大部分をカバーしていたが、その時点で、穀物を700万トン輸入した。
世界銀行の調査によると、中国では北部の三つの河川流域北京と天津を流れる海河、黄河、黄河の南を流れる淮河から過大に揚水されている。一般的には1000トンの水で1トンの穀物が生産できるから、地下水がかれて、海河流域で揚水されている年間400億トン近くの水が不足すると、穀物生産量も4000万トン減少することになる。これは1億2000万人を養える量である。
 中国の黄河は全長約5500Kmで5つの省を流れて黄海に注いでいるが、この数十年来、問題が山積している。海まで届かぬうちに流れが消えてしまうという「断流」が1972年に初めて発生し、1985年以降は頻繁に見られる。
湖の消滅でも、もっとも顕著なのは中国だろう。黄河主流が流れる中国西部の青海省にはかつて4077の湖があったが、過去20年で2000以上が消滅した。北京を囲む河北省の状況はさらに悪く、全域にわたって地下水位が急速に低下しており、1052あった湖のうち969が消滅している。
 中国は黄河上流の経済開発促進に向けて、上流地域の新興企業に優先的に給水している。結果として、上流でより多くの水が使われるため、下流の農業地帯に届く水は減っている。極端に降雨量の少ない年には、黄河の水が最下流部の山東省までも達しない。
もともと山東省の農家は灌漑用水の約半分を黄河から、残りの半分を井戸から取水していたが、川の水も地下水も減少しつつある。トウモロコシの五分の一、小麦の七分の一という国内生産シェアを占める同省での灌漑用水不足が、中国の穀物の減産の一因となっている。
 中国の例は明らかな政府収用であるにせよ、世界的に見ても、都市が農家の水利権に高額を提示したり、農家には掘れないような深井戸を掘削したりするため、水争奪戦における農家の旗色は悪くなっている。農民は、多くの場合、水供給量の低下だけでなく、その先細りになる供給量のシェアも少なくなるという現状に直面している。穀物を必要とする世界人口が毎年7000万人ずつ増える一方で、都市はゆっくりだが確実に農業用水を吸い上げている。
 穀物の輸入需要が明日どこに集中するのかを知りたければ、今日どこで水不足が起きているかに注目すればよい。現在までのところ、穀物の大部分を輸入しているのは小国であるが、それぞれ人口が10億を上回る中国とインドで水不足が急速に進んでいるのは、世界の穀物市場を揺るがす前兆かもしれない。
  水の需要量と持続可能な供給量の格差は年々広がり、地下水位の低下幅も毎年大きくなっている。多くの水不足に悩む国では、地下水の枯渇と都市用水への転用で灌漑用水の不足がさらに深刻になり、その結果として穀物不足も深刻化する。
世界の穀物生産が1950年から2000年にかけてほぼ三倍に増えた過程において、灌漑用水は一助となった。したがって、その水が失われれば、穀物生産量が縮小するのは当然である。灌漑用水については、多くの国が典型的な「自然の限界を越えて崩壊する」状況に陥っている。地下水を過大に汲み上げている国が、水の使用量を減らし、地下水位を安定化させるために、速やかに行動しなければ、最終的に食料生産が落ち込むことは避けられない。

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