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今後の社会と農業-3

目次を作りました。順番に見てね

今後の社会と農業                      流通
青果物小売価格
 青果物が加工されずに原形のままで消費者に届くまでにはどのような流れがあるのでしょうか? 消費者に届くまでにはかなりの業者の手を通り中間的なマージンが上積みされていきます。このことは流通にとって決してプラスになっているものではありません。
では中間業者を省くメリットとデメリットはどのようなものがあるか考えてみました。
メリット
イ)鮮度落ちが少ない。    ニ)個別サービスの向上。
ロ)小売単価が下がる。    ホ)生産者所得の向上。
ハ)値決めが消費者にある。  ヘ)責任が明確
デメリット
ロ)対応が複雑になる。
ハ)市場の調整機能が失われ生産者に直接対応が迫られる。
ニ)規格統一ができない。
ホ)生産者間における能力格差が生じる。
では現実的な流通において、中間業者が流通に携わるとどのくらい流通価格は上昇するのでしょうか。平成12年7月に実施した青果物の生産者受取価格に対する小売価格の比率についてみてみます。調査は東京都中央卸売市場から仕入を行って販売する小売店舗において調査したものです。
調査は2つの流通価格比を指標として5段階流通と4段階流通についておこなったものです。
流通比較 (倍)
表題全価格比消費地価格比
5段階流通2.781.94
4段階流通2.681.64
全価格比=小売価格÷生産者受取価格
消費地価格比=小売価格÷卸売価格
段階流通
5段階流通=生産者   集団出荷   卸売市場   仲卸業者   小売業者
4段階流通=生産者   集団出荷   卸売市場   小売業者

 各段階の価格は、流通過程において付加される選別・加工・運賃などのサービス費用を反映したもので、いわゆる販売定価で処分売りや鮮度管理品の廃棄など勘案したものではなく利潤総体の比較にはなりません。

 この調査表からも小売段階での生産者受取価格の販売価格倍率が2.7倍以上もあり、いかに消費者負担をもたらしているのかがわかります。このようにみてみますと生産者の受け取り価格が決して高額というものでなく、流通過程において付加された商品価値が販売価格を押し上げていることが伺われます。このことが今まで右肩上がりで上がってきた物価上昇の要因でもあります。高度成長における中間業者の人件費の上昇がコスト負担を増加させ、その結果販売価格の上昇を招いてきました。経済的に見てみると今後は生産者も消費者も納得できる販売システムの構築が必要となってくるでしょう。中間業者を省いた流通を考えてみると、どのような見方ができるのでしょうか? 見方を変えて生産者側からみた農業の発展を考えるならば生産者受取価格は高いほど世界的な競争に打ち勝つ為の投資ができるようになります。また、消費者の観点から見てみますと鮮度の新しい商品を美味しく食べられることを意味しています。競争時代におけるこの2つのメリットは大いなる意義をもっています。今までの販売価格が決まる仕組みは市場原理による落札価格でしたが、生産者からの直接販売では製造原価と商品価値(見た目の価値でなく内容の価値)とで決定していくことになり適正な価格決定ができるものと思います。中間業者はただ単なる利潤の追求から何ができるのかという流通経済全般を考えた将来のあり方、農業全体を考えた生産のあり方、世界的に見た競争主義に生き残る為のあり方など模索していかなければならない現状に立たされている事を充分に認識しておかなければなりません。

卸売り
卸売市場経由率の推移(重量ベース)(単位:%)
表題S60年H2年H7年H11年
野菜87.485.280.880.3
果実81.476.163.457.2
卸売市場経由率=卸売市場の取扱数量/国内流通量
近年においては消費ニーズの多様化、大規模小売店の増加、産地の大型化などの変化を背景として産直の取組み、量販店と生産者の直接取引き、インターネットを使った無店舗販売など食品の流通経路も多様化してきているなか生鮮食料品の流通については卸売市場経由が主流であるが年々減少の傾向にあります。多様化する流通形態に適応して行くためには卸の変化は当然であり、今後はますます加速してこなければ流通が消費ニーズに追従できなくなり機能不全となりうります。そのためには卸市場の統廃合及び仲卸機能の拡充が必要不可欠になってくるでしょう。

小売
 我国の生活環境の変化を考えてみますと就労では共稼ぎや女性の就労、世代では高齢化及び少子化、家庭では核家族や単身世帯、食事では個食化や孤食、食生活パターンでは外食や中食、交通便では交通網の拡充や車などによる商圏拡大、生活時間帯では若年層では夜型へ移行するなど様々な要因があるなか、小売業の業態別変化をみると店舗数が全体的に減少するなか食料品スーパーとCVSの店舗数が増加しており、シェアから見ても拡大の傾向にあります。
食料品関連小売店の業態別店舗数の推移
表題商店数(千店)年間売上額(10億円)
業態別H3年H11年増減H3年H11年増減
百貨店0.50.4▲20%11,3509,750▲14%
総合スーパー1.71.70%8,4968,8504%
食料品ス−パー151927%11,29716,74848%
コンビニ 244067%3,1266,13596%
食料品専門店297249▲16%11,2929,207▲18%
総合スーパー:衣食住にわたる商品の取り扱いで、それぞれの取り扱いが10%以上
食料品ス−パー:食料品の取り扱いが70%以上

 上記のように販売業態別にみてみると業態の変化が顕著に出ています。このことは業界が消費に変化を与えたことと、その変化に消費者が対応順応してきたための変化といえます。当然そうなると販売形態だけの変化だけでなく、納入のあり方にも影響を与えつつ、納入業者・製造業者等は独自の対応が必要になってくることになり、差別化を生み出すことにより競争をよりいっそう過熱化させてくるのではないのでしょうか。
人口1万人当りの食品小売店数
日本アメリカイギリスフランス
38.56.613.729.7

わが国の小売店は他国と比べてみても上記の表の通り米国の5.8倍、イギリスの2.8倍となっており消費ニーズの多様化と複数の中間業者の介在、小規模店舗の多数展開などさまざまな要因があります。しかしこれらはいずれ大型資本の投下による大企業の市場争奪戦へと変わり行くもので、それによってますます欧米化していくものと思われます。このように競争が激化するなか、各企業はさらに利益の確保に力を入れるようになり販売戦略から仕入戦略へと方向転換し、仕入・流通・販売まで管理するシステムへと変換してくると予想します。これらの流通段階でのコスト削減による利益確保が必要であると言われておりますが、同じコスト削減でも効率の向上による利益確保が本来必要ではないでしょうか。資源を有効に使い無駄をなくす事により有限な資源が始めて活用されてくるものであり安易な削減ではなく最終手段での削減にしなければなりません。効率の追求は省くから活用するという方向への変化を有します。資本主義におきましては競争する事により技術を養いより先の効率の向上へと変化していくものと思われます。

ITを利用した情報の活用
 食品産業における情報化については、異なる事業者間でのオンラインの発注システム(EOS)の構築やその基盤となる電子データ交換(EDI)を通じた情報の電子化・規格化等により多数の事業者間で情報交換が行えるようなシステムの開発・普及が必要です。従来の日本型の資材調達では付き合いとか担当とかによるものが多かったが、最近では日産自動車にみられるようにインターネットの活用による部材の調達でコスト低減を実現しているところもあります。このような調達方法では情報のやり取りが重要であり、それは単なる競争の社会から開発の競争へとなります。如何に情報を選択し、選択した情報を如何に最大限活用するかが問題であり、そこには一切の感情が入る隙間はありません。
プライベート型 B to B
 食材の調達方法をネット上で行い買い手である1社と売り手である数社が参加してネット上で商談を行うものです。商材の購入方法としては2通りあり買い手が指名した商材を最安値で落札する方法と売り手側が商材の提案をするという方法があります。
オープンB to B
 ネット上のバーチャル市場に店を出し多数の買い手と多数の売り手が参加して「買い手情報」と「売り手情報」をサイト上に掲載して商談が行われるものです。



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