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蜂群崩壊症候群

ミツバチの失踪 CCD(蜂群崩壊症候群)
 アメリカでここ数年で問題となっているのがミツバチの失踪です。養蜂家が飼っているミツバチが忽然と姿を消していなくなるのです。その失踪したミツバチたちの死骸は見つからず、原因がつかめない状況です。一説ではミツバチが病気にかかり他の群れに広がらないよう集団でその群れだけが失踪するのではないだろうかというものです。しかし、原因は不明のままです。
 ミツバチがいなくなると作物の受粉ができなくなります。自然界のミツバチが少ない現状では、このような養蜂家が飼っている西洋ミツバチが頼りです。アメリカや日本の農作物の3分の1がこのミツバチの受粉に頼っているのです。農家は受粉の時期になると養蜂家から西洋ミツバチを借りてきて受粉を行います。近代農業では効率が求められておりミツバチたちの受粉作業なくして効率を上げることは難しいのが現実です。しかし、アメリカではこのミツバチたちが忽然と姿を消し群れが崩壊しています。このような現象をCCD(蜂群崩壊症候群)と名づけられました。CCDが進むと農作物が減少する可能性があることとミツバチを借りる値段が上昇し販売単価に合わなくなり結果として農業が後退することになり、食糧危機に拍車をかけることにもなり兼ねません。アメリカではこのような事態を憂慮して原因究明に乗り出しました。ミツバチの失踪がおき始めたのは2年前位からです。ミツバチの失踪はアメリカ全土に及び35州でCCDが確認されています。07年夏から08年張るまでの7ヶ月間で失踪したミツバチは凡そ270億匹で、アメリカのミツバチの36%に及びます。そのためミツバチの価格は1.5倍程度まで高騰してきており、その値段が野菜や果物に転嫁されることになります。値段が上がるのは野菜や果物ばかりでなく牛肉や乳製品などにも影響がでます。それは飼料作物の種となる受粉にも影響が出るからです。
 アメリカ農務省の研究チームでは、ミツバチの死骸がないので直接その原因を突き止めることが困難なので、CCDで残った巣箱の少数のミツバチのDNAを調べてその原因を探りました。その結果CCDを起こしたミツバチの免疫力が著しく低下していることが判明しました。これらのミツバチはウイルスに感染しやすく、感染した場合数日間で死に至ってしまいます。CCDの要因として免疫力の低下がわかったわけですが、問題はなぜ免疫力が低下したかということです。研究チームが目をつけたのは全米の半分近いミツバチがカリフォルニアに集められてアーモンドの受粉をさせられているということでした。カリフォルニア州のアーモンド農園は大規模で、しかも単一の作物しかなく、生産面では効率のよい農園です。ミツバチの飛行距離は3km程度なので、アーモンドの蜜しか口にすることができません。ミツバチの寿命を調べた研究では、5種類以上の蜜を食べたものとアーモンドのみを食べたミツバチとでは、アーモンドのみを食べたミツバチはそうでないミツバチの半分以下の寿命でした。単一の蜜だけでは十分な栄養を得ることができないのです。果たしてミツバチの免疫が低下しただけで、ミツバチは巣に帰ることができなくなるのでしょうか? 研究チームが巣に残されている花粉や蜜を調べてみると、数多くの農薬が検知されました。その数は50近くにのぼり除草剤や殺虫剤など多種にわたっていました。その中でも特に注目したのがネオニコチノイド系の殺虫剤でした。ネオニコチノイドは従来の農薬に比べて殺虫能力が非常に高い農薬です。ネオニコチノイドは劇薬なのでこれを食べたミツバチの神経が破壊され、巣に帰れない可能性があると指摘しています。
 このような面からも農業の拡大には限界があり、それは技術的なもの以外に自然環境に過大な付加を与えると、最終的には農業事態が崩壊する危険性があることを警戒しているのではないでしょうか。アメリカではさらにミツバチの活動を活発にさせて効率を上げるための実験が行われており、幼虫のフェルモンを嗅がすことにより、花粉を採取する回数を増やそうというものです。幼虫20万匹分に匹敵する合成フェルモンは、ミツバチの活動を150%まで引き上げることに成功しました。しかし、ミツバチにとっては過労となり寿命を縮めることになります。


 現在もCCDの原因については調査中です。私たち人間はその他の生物の主人ではなく、共存相手にしか過ぎないということを忘れてはならないと思います。すべての生命は調和とバランスの上に成り立っています。人間だけが経済を追求しているのに対して、他の生物はただ命を繋ぐことのみを求めています。

目次を作りました。順番に見てね


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