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地球白書5

目次を作りました。順番に見てね

地球白書5
水の状況4    
3、気候変動が水に及ぼす影響
 2000年8月1隻の破氷船が北極に開氷域を発見し、科学界には大きな驚きが広がりました。さらにノルウェーの科学者は今後50年以内に北極海は、夏の期間氷がなくなる恐れがあると予測し、米国の科学者は広大なグリーンランド氷床が融解していると報告しています。以前のある調査では過去40年間で氷床の厚さが42%減少し、氷床の面積も6%縮小しており、双方では北極海の氷の量は半分近く減っていると報告もされています。グリーンランドでは標高の高い地域ではなんぼか氷は増えているものの、低い地域ではそれ以上の氷が失われています。毎年およそ510億立方メートルの水が実際に失われ、これはナイル川の年間流量に相当する量です。
 また一方の南極でも氷の融解はすすんでいます。南極大陸は米国と同等の大きさで、大陸を覆う氷床の厚さは平均2.3kmで比較的に安定していますが、棚氷と呼ばれる氷床が周囲の海に押し出された部分では、氷が急速に消失されています。1950年頃から1997年までに、南極の両側の棚氷は崩壊により7000k屬失われました。しかしそれから1年足らずでさらに3000k屬消失しました。このように氷の融解が加速しているのは、地域の温度が1940年から摂氏2.5度上昇したためだと科学者は分析しています。

 氷の融解は北極や南極以外の大陸内部でも加速度的に進行しています。ロッキー山脈・アンデス山脈・アルプス山脈・ヒマラヤ山脈などの世界の主要な山脈で雪塊や氷塊が縮小しています。モンタナ州のグレーシャー国立公園では1850年に150あった氷河が今では50以下になり今後30年ですべて消失すると予測しています。ペールーのアンデス山脈のケルッカヤ氷河では1970年から1990年の間は、氷河は毎年3m後退していましたが1991年以降では年間30m後退しています。ヨーロッパのアルプス山脈では1850年以降氷河面積は40%近く消滅し、今後の半世紀ですべて消失すると予測しています。
 CO2濃度が上がると温室効果をもたらす事は周知のこととなっていますが産業革命以前は280ppm程度だったと推測される大気中のCO2濃度は1960年には317ppmになり、1999年には368ppmになりました。わずか40年で16%の急増となっています。科学者たちは、山岳地帯での気温が1〜2°C上昇すると降水量に占める雨の割合は大幅に増え雪の割合は減少し、雪塊や氷塊の縮小で乾期に河川に水を供給する雪解け水が減少し、その結果雨期には洪水が増え乾期には干ばつを招く恐れがあると予測しています。

 ヒマラヤ山脈の巨大な雪氷塊(グリーンランド氷床、南極氷床に次いで世界で3番目)が融解し続けると、アジアの広域に莫大な影響をもたらします。インダス川・ガンジス川・メコン川・長江・黄河などアジアの主要な河川はすべてヒマラヤ山脈から発しています。ヒマラヤ山脈で雪氷塊の融解が続くとパキスタン・インド・バングラデシュ・タイ・ベトナム・中国など水不足の危惧のある地域に夏に河川に水を供給する雪解水が減少しさらなる水不足を招くでしょう。このことはアジア全体に悪影響を及ぼし、さらには穀物市場への影響は計り知れないものとなるでしょう。
 陸地の氷が融解して海に流出すると海水面は上昇します。過去100年間で海水面はおよそ30cm上昇しました。既存のままの気候モデルでは今後100年間で海水面は1m上昇すると予測されます。グリーンランド氷床は所々で厚さは3.2kmにも達しますが、これがすべて融解すると海水面は7m上昇することになります。世界銀行の分析によると、海水面が1m上昇すると海抜が低いバングラデシュでは稲作地帯の半分が消失することになります。中国、インド、バングラデシュ・インドネシア・ベトナム・フィリピンなどでは100万人単位の気候難民が生まれます。

 さらに気がかりなのは氷が融解するだけで気温の上昇を加速させることになるということです。雪氷解量が減少するにつれ宇宙に反射する太陽光の量が減り、反射しにくくなった地表が吸収する太陽光の量が増えると、気温の上昇はさらに速まり融解が加速するということです。このことは地球の食糧事情を大きく左右する潜在力を持っていることを意味しています。

C,水産資源
 水産養殖の生産量はこの10年に亘り毎年11%の増加をしております。1990年100万トンが1998年には3100万トンに増え、2010年までには水産養殖は放牧を凌ぐようになります。世界の食料経済の中で最も成長の著しい分野です。この記録的な成長は私たちの食生活が基本的に変化してきていることを示しています。20世紀にあっては世界は動物性たんぱく質の重要を満たすために放牧農場と海洋漁場の2つの自然に供給に依存していました。しかし、双方の生産能力は限界に来ており1950年から1990年に掛けて放牧の生産量は1900万トンから5300万トンへと3倍近く増加し、海洋漁獲量は1900万トンから8600万トンへと4倍以上に増加したが、それ以降は横這い状態です。このような状況が私たちの食生活を変え始めようとしています。生体重を1kg増やすのに牛は7kgの穀物を必要としますが、魚はおよそ2kgですみます。その穀物を1トン生産するのに水を1000トン必要とすることも放牧より魚を優位にしています。このことは家畜の飼育より魚の養殖を増加させる要因です。水産養殖のおよそ85%は発展途上国で行われ1998年の世界の養殖生産量3100万トンのうち、中国が2100万トン、2位のインドは200万トンそのほかにバングラデシュ・インドネシア・タイなどがあります。また途上国などのたんぱく質の植えた世界にあっては、魚の養殖は低所得層に低コストの動物性たんぱく質を提供する供給源でもあります。



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