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地球白書4

目次を作りました。順番に見てね

地球白書4    
B、水の状況3
2、人口増加が水に及ぼす影響
 現在世界の人口は毎年新たに8000万人が増えており、地球の淡水資源への需要が増大し世界の水事情は益々厳しい状況に追い込まれようとしています。今後の半世紀に増えると予測される30億人の殆んどは、すでに水不足が起こっている国々に生まれます。
 さらに2050年までにインドの人口は5億1900万人、中国の人口は2億1100万人、パキスタンでは2億人、エジプト・イラン・メキシコは今の人口の1.5倍も増加すると予測されています。これらの国では現在でも水不足の国であり人口増加により、さらに何千何百万という人々が水不足を余儀なくされます。
 現在の60億の人口でさえ世界の水収支は莫大な赤字に陥っています。「水不足が世界を脅かす」の著者サンドラ・ポステルは中国・インド・サウジアラビア・北アフリカ・アメリカの地下水の過剰揚水のデーターをもとにして、年間の地下水の過剰揚水量を1600億立方メートル(1600億トン)とはじき出しています。1トンの穀物を生産するのに1000トンの水が必要なので、過剰揚水はアメリカの穀物生産量の半分に相当する1億6000万トンの穀物を生産するのに必要な水資源量です。
 世界の一人当たりの年間平均穀物消費量は300kg強なので、過剰揚水でできる穀物1億6000万トンは4億8000万人の食糧に相当します。つまり世界人口60億のうち4億8000万人は持続不能な水により養われていることになります。

 世界で消費される水の約70%は灌漑用水として使われ、およそ20%が工業用、残り10%が生活用となっています。農業と工業の水効率を経済価値に置き換えてみると中国やインドなどの途上国ではその経済価値の差は50〜70倍と工業用が有利です。この差を見てみれば灌漑用水の水利権を都市に売る農民が多いいことに頷けるはずです。人々が豊かになればなるほど食物連鎖が上昇して肉類・卵・乳製品などを食べる人が増加していきます。アメリカ人は年間一人当たり900kgの穀物が必要とされていますが、インドなどの炭水化物中心の食事では穀物は200kgしか必要としません。一人当たり4.5倍の穀物の消費の差は水も同じく4.5倍使用されていることになります。地域的な問題であった水不足と人口増加はもはや世界的規模での問題として浮上しており、その状況中でも世界で最も急速に拡大している穀物輸入市場はモロッコ・アルジェリア・チェニジア・リビア・エジプトなどの中東からイランまでを含む北アフリカ・中東地域です。都市や工業化が進むと水資源の確保は灌漑用水を転用することになります。それによって生じる穀物生産の減少は、穀物を外国から輸入することによって補われ、このことは最も効率的な水の輸入と言えることになります。1999年イランは700万トンの小麦を輸入し、日本を凌いで世界最大の小麦輸入国となりました。2000年にはエジプトも日本を越える輸入量に達するとみられています(現時点では統計がされていません)。1999年の北アフリカと中東に輸入された穀物を生産するには、ナイル川の年間流量にほぼ匹敵する水の量の必要です。このことは穀物を輸入するというかたちで、この地域にもう1本ナイル川が流れ込んだことになります。

 前述したように水資源を安定させようと過剰な地下水の揚水を抑えたならば、世界の穀物生産量は8%、およそ1億6000万トン減少して、価格が高騰することでしょう。しかし、このまま水資源を使用し続ければ、水収支は赤字が増え続けさらに大規模な調整をしなくてはなりませ。このように穀物輸入国が増え続けるとアメリカ・カナダ・オーストラリアなどの食糧余剰国の輸出供給量を上回ることが懸念されます。このことは穀物のみの価格上昇にとどまらず水そのものの価格も引き上げていき、相乗効果でさらなる穀物価格の上昇を招くことになります。



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