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近代農業事情 企業参入

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農業への企業参入                  
 企業の参入が、いまだに少ないのは農業のみです。農業は個人が所有している土地を使用して行なうため、その名義を企業が所有することができません。そのため、農業への企業進出はできませんでした。行なうとすれば農地でない土地での耕作となり、土地の取得や税金面でもかなりの負担が発生します。土地の価値にあったものを作ろうとすると生産性の面から見ても工業製品への投資となります。農業の付加価値はそれほど高かくなく、生産のメリットがでませんでした。言い換えれば製造原価に対する付加価値率が低いことになります。また、企業にも農業技術の蓄積がなく、0からのスタートでは、かなりの投資と時間が必要です。さらに販売ノウハウも備わってなく、企業からの農業進出は敬遠されて来ました。しかし、1990年代になると企業は生き残りをかけて新たな分野に進出するようになり、未開地である農業へにも進出していくようになりました。
 1999年の食糧・農業・農村基本法の制定を踏まえて各企業は、規制緩和を期待して企業の農業参入が盛んにおこなわれました。「キリンビール」は、青森県深浦町の農業生産法人「黄金崎農場」と協同で「ジャパンポテト」を設立、マイクロチューバーという無菌ジャガイモの生産を開始。「トヨタ自動車」は、青森県六ヶ所村で花卉栽培を開始、インドネシアでは生分解性プラスチックの原料になるサツマイモの生産を開始(土に返るプラスチック)。「カゴメ」は、エリアフランチャイズという手法で全国の農業生産法人と提携、生食用トマトの生産を開始。販売では「現双日ホールディングス(日商岩井)」は、25の農業生産法人と契約し「夢百菜共和国」を設立。「三菱商事」と「キユーピー」は、共同出資でカット野菜の「サラダクラブ」を設立。「三井物産」は、農業を核にした町おこしコンサルタント事業「ニューふぁーむ21」、「トーメン」は、有機栽培に使う天敵昆虫の販売。などなど企業進出がブームとなりました。しかし、その一方で撤退する企業もありました。  
 農業生産法人に乗り出したオムロンは、北海道千歳市に大型ガラスハウスを建設してトマト生産を始め、自社のハイテク技術を応用した生産施設は郡を抜いていましたが、肝心の販売力が弱かったために撤退しました。日本たばこ産業も農家と生産契約して販売に乗り出したが軌道には乗せられず撤退しました。ユニクロは「エフアール・フーズ」を設立し、農家と直接契約した商品を「スキップ」ブランドとして販売したが売上計画を大きく下回り撤退しました。これらは、農業が如何に特異なもの(生産は天候に左右され、法律で農業は守られ、個人生産を主とし、上部団体に属し・・・)であるか印象づけました。 
 しかし、BSE問題などで安全性の問題が浮上し、法による安全の確保やコンプライアンスがクローズアップされるようになってくると、個人では対応できない面が多くなり、企業の進出がしやすい条件が整ってきました。また農業特区など企業が農業へ進出するモデル事業など、検討がなされています。
各企業の進出を表に取りまとめてみると、多くの共通点があることに気がつきます。「安全・安心を他人から買うのでなく自分たちで作ろうとしている点」、「自社の農場と独自の技術開発を行ない規模が大きいこと」。さらに「環境に配慮したもの」となっています。また、「生産から販売まで経路が確保されており、明確な栽培履歴と流通経路をトレースできること」がポイントとなっています。
 これら企業の農業進出を加速させた要因に、メディア等で頻繁に健康食を扱い、それが一過性のものから恒久的な健康への関心へと変化してきたことがあると感じます。これも高齢化社会が及ぼす影響の一つではないでしょうか。

各企業の農業への進出

社名商品内 容
カゴメ生食用トマト茨城、広島、山口等の農業法人と提携するハウス栽培。ハンバーガー用トマト栽培
キユーピー野菜福島に直営の植物工場。カット野菜の製造・販売で三菱商事と提携
麒麟ビールジャガイモ・花卉ジャパンポテトを共同設立。菊は世界トップシェア
セコムハーブ子会社セコムハイプラントが福島県に植物工場
トヨタサツマイモインドネシアで生分解性プラスチック用サツマイモ栽培
ワタミフードサービス有機栽培子会社で自社農園。居酒屋の和民で販売
キューサイケール農業法人を設立、有機栽培自社農場
トーメン生物農薬天敵昆虫による害虫駆除研究
モスフード野菜野菜バーガー。ネットでモス畑
クイーンズ伊勢丹野菜洗わなくても食べられるレタス販売、ミネラル農法
2004年11月調べ

今後の企業進出の条件を考える
 経済のグローバル化を考えると、日本の農業が生き残っていくためには企業の農業進出は当たり前であり、日本の自給率向上のためにも、企業が農業に進出して来なければ、農業生産自体が衰退へと向かって行のではないでしょうか? 企業が農業分野に進出して繁栄していく為の条件を考えてみました。
企業参入の条件克服
条件コンテンツ備考
自給力・素質と競争力・付加価値自社農場があること安全管理の徹底分析ができる
研究開発ができる技術の育生ができる
農地の集積ができること大規模生産ができること生産効率が上げられる
地域と密着ができる環境保全型農業への共同取組が行われる
農法があること消費者から見ても企業理念がわかる会社の姿勢を消費者にアピールできる
安全・安心であること消費者への信頼が得られる付加価値販売ができる(安全の提供)
トレサビリティ不慮の事故に対する波及防止ができる(安心の提供)
鮮度の維持ができること地産地消鮮度が命
残留農薬証明ができる消費者に対する安全責任を果たす(安全の立証責任)消費者からの信用の上積み(リピーターの創出)
SMC(サプライチェンマネージメント)生産から販売まで一環の供給システム管理を行なう農家から食卓までの商品管理ができる
販売先があること(既存の客がいること)既存の固定客があるので計画が確実目的にあった価値の創出ができる(個別ニーズ生産)

 大まかに考えてみて以上のようなことが最低でもクリアされなければならない条件と考えます。初期の農業への企業進出で失敗した事例を考えると、これらの要素を満足させることができてなかったのではないでしょうか。しかし、これらの条件を満たすことが非常に困難であることも容易に想像することはできます。そのためには小さくてもいいから地道に積み上げていくことが大切ではないでしょうか? 
 また、これらをひとくくりで見てみると「担い手」「農地」「技術の確保」が主であり、これら3つは自給率を上げるための根冠である「自給力(素質)」そのものではないでしょうか。他の「安全」「鮮度」「販売先」「競争力(付加価値力)」です。このように考えると農業が企業化していく経緯の過程が、まさに今の現状のように見えます。

新基本計画
 新しい食糧・農業・農村基本計画づくりがなされていますが、「国際競争に耐えうる農業」を指針としており、その内容のひとつに「担い手の育成」があります。農水省は「担い手に面積要件を設けること」としています。これは、「担い手」に農地を集積させるためのもので、経営規模を拡大して国際競争力を持たせようとするものです。認定の要件に農地面積を付加することで農地の集積を促進させようとするものです。しかし、「担い手の認定」を受けなければ助成等の支援措置を受けることができなくなります。農林水産省は、農業経営基盤強化促進法で位置づけられた、集落の地権者でつくる農地利用を話し合う団体(農用地利用改善団体という)をてこ入れし、同団体の規定で農地を集積する「担い手」を特定する考えです。同省は農用地利用改善団体を積極的に活用して、経営安定対策の利用を促進を狙っています。しかし、農用地利用改善団体と経営安定対策の「担い手」は別物であり、法律に基づいて集落で定めた担い手でも、経営安定対策の要件を更に満たさなければなりません。また株式会社の農地取得も大きな問題であり、仮に農地の取得を認めたとしても、民法上所有から10年を超えると、企業は自由に転用ができ売買が可能となるので、株式会社の農地取得は認可されない見通しです。
認定農業者
農業経営改善計画の認定を受けた者、
認定農業者制度
市町村が策定した農業経営基盤強化促進基本構想において示している農業経営(効率的且つ安定的な経営)を目指して農業経営の改善を計画的に進めるために、農業従事者当人が作成した農業経営改善計画を市町村が認定し、この計画が着実に達成されるように支援する制度
認定農業者への支援措置
1、農地の利用集積の支援
2、税法上の特例
3、融資支援制度
4、研修等の実施
今回国会の法案を通過した新農業政策については、今後調べていきます。    
ワールドウォッチジャパン環境問題へのリンクです




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