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堆肥(化学肥料の投入)

目次を作りました。順番に見てね

土壌のしくみ 第3章
堆肥12
堆肥の作り方
化学肥料の投入効果
 堆肥は自然由来の資材を微生物により加工していくものですが、補助的に化学肥料を使うことで多彩な効果を引き出すことができます。
石灰窒素
 石灰窒素は、堆肥の窒素成分を増加させるために使用されるもので、シアナミド態窒素を含むアルカリ性肥料で、窒素を20%含んでいます。主成分のカルシウムシアナミド(CaCN  2)は、土壌中で加水分解して尿素態になり、さらにアンモニア態、硝酸態に変化して作物に吸収されます。シアナミドが分解されるときにジシアナミドができ、殺菌、殺虫効果を発揮します。石灰窒素は20%の窒素を含んでいるので、重量で対比の2%程度を目安として施用すると、O157やサルモネラ菌、大腸菌などの殺菌効果が得られます。

過リン酸石灰(過石)
 リン酸資材で堆肥によく使われるのが過リン酸石灰で、リン酸の含量は17%程度で、そのうちの80%(過リン酸石灰のうち14%)が水溶性です。リン酸は窒素とともに微生物にとっては必須元素ですが、リン酸は水に溶けにくいので過リン酸石灰を混合すると、微生物の増殖を活発にします。また、過リン酸石灰のpHは3で強酸性のため、堆肥のアンモニアと結合してアンモニアの揮散を防ぎ、脱臭効果を発揮します。過リン酸は重量で5%以下の混合が目安とされています。

牛ふん堆肥のつくり方
 牛ふんと敷きわら(畜舎に轢いたわら)に水分調節材として稲わら、オガクズなどを用います。また、窒素の揮散を防ぐために過リン酸石灰を加えます。敷きわらと家畜ふんを混ぜて高さ30cm程度に積み、過リン酸石灰をふりかけ、水分調節をしながら踏み込みます。これを繰り返して1.8mくらいまでの高さに積みます。ふんと尿を分離しないで使用する場合はオガクズなどを混入して含水率を下げ、炭素率を上げて行ないます。積込み後は70℃以上に発熱させ、2週間に1度は切り返しを行ない、これを数回繰り返します。夏場で2ヶ月、冬場で4ヶ月で堆肥化します。
 豚ぷんや鶏ふんでは、稲わら類を多く入れて炭素率を上げてやり、逆に石灰やリン酸は多く含まれているので、過リン酸石灰は混合しないようにします。牛ふん堆肥の成分としては、窒素2%、リン酸2%、カリ2%程度で炭素率15〜20程度で、肥料効果があります。また、戻し堆肥を利用して生ふんと完熟堆肥を混合して行なうと、より効果的に微生物の活動が活発になります。

堆肥の施用
 堆肥を土壌に施用すると土壌中の微生物は、その堆肥に群がり堆肥の過程と同じよに分解が行なわれます。このとき未熟態では急激な分解となり、根に障害を与えます。堆肥化は、堆肥化である程度の分解を行ない、施用後ゆるやかに土壌中で分解が進むことで、根に障害を与えず、肥料効果を長持ちさせることができます。また、作物が養分を吸収するには、有機養分の無機化が必要であり、微生物が有機物を分解することで養分の無機化が進みます。堆肥化は、有機養分を無機化する役割も持っています。だから化学肥料は無機質なので即効性があり、過剰摂取になりやすい訳です。因みに堆肥施用後の難解物質の分解には数年かかります。

無機化
 堆肥に含まれる成分のうちカリは無機態で存在しているため、堆肥に含まれるカリの殆どが作物に利用できるが、窒素とリン酸は有機体のものが多く、そのままでは利用できません。土壌中で堆肥を分解する微生物は、堆肥に含まれる炭素の3分の2を呼吸作用で使用して、残り3分の1で体をつくります。このため微生物の炭素率は6.7程度とされている。炭素率20の堆肥を施用すると窒素1に対し炭素20あったものが、13.3の炭素が呼吸作用で二酸化炭素として失われたことになり、窒素1に対し6.7の炭素が微生物として残ります。
 炭素率が20以上の堆肥が土壌で分解を受けると、炭素の消費割合よりも窒素が少ないことになり、その分窒素を補う必要がでてきます。そこで不足の窒素成分を微生物は土壌の無機態窒素を給して補う(窒素の有機化という)ので、土壌の窒素成分が不足して作物は窒素飢餓に陥ります。逆に炭素率が20以下であれば窒素が過剰となるので、微生物は余分な窒素をアンモニア態窒素として体外に放出します(窒素の無機化)。この無機態窒素を作物は養分として吸収して生長します。

無機化率
 窒素の無機化において、堆肥に含まれる有機態窒素のうち、無機化する窒素の量の比率を窒素の無機化率といいます。炭素率が小さいほど無機化率は大きくなります。 
 窒素の無機化率
炭素率20%以上15〜2010〜1510以下
無機化率0%10〜0%20〜10%20%以上


 牛ふん主体の堆肥では、窒素の現物含量は1.1%含まれており、無機化率を20%とすると、堆肥100kgでは窒素を11kg含んでおり、施用したとき無機化で2.2kgの無機態窒素ができ、作物に吸収できるようになり、残り80%の8.9kgの窒素は土壌中に蓄積されることになります。この量は気温や堆肥の条件により異なりますので目安としての量です。
 堆肥は連年施用が基本であるため、窒素の土壌蓄積量(地力窒素)に充分な注意が必要です。生鶏ふんでは大部分の窒素が1年で分解して無機化しますが、生牛ふんでは半分の量が蓄積されます。これは生ふんの例であるので、堆肥ではすでに分解がなされているので、施用すると1年目に分解する量が少なくなり蓄積される量が多くなります。

有効化率
 有効性分量は、堆肥に含まれている養分が1年間で作物に吸収可能になる量であり、堆肥に含まれる成分量のうち、作物が実際に吸収できる量の割合を「有効化率」といい、その有効化率の量のことを有効成分量と言います。無機化率は有機態成分が無機化する量の割合で、有効化率はもともとから原料に含まれる無機態の成分量と無機化(微生物活動)によって生じた成分量を加算したものです。よって無機化率よりも有効化率の方が高くなります。窒素は無機態の含量が少ないため、無機化率と有効化率はほぼ等しく、カリは殆どが無機態で存在しているので有効化率というべきであり、石灰(カルシウム)と苦土(マグネシウム)は、ほぼ100%が無機態で存在しており100%有効化です。
 堆肥の施用で注意しなければならないことは、あらかじめ含まれている成分量を知った上で、肥料の施用量を計算して決定しなければなりません。

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