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地球白書17-16

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<第16章>持続可能な繁栄をもたらす生態系サービス

Ecosystem Service for Sustainable Prosperity

 西欧社会は経済成長を追求し続け、「公共部門や共有部門よりも民間部門」「多数に
よる資産の形成よりも少数による資本の蓄積」「本来の財やサービスを生産する実体経済
よりも金融を優遇する制度」に、重きを置くようになってきた。平均所得と限界税率の
段階的低下により、公共財へ支出する資金が減少し、同時に所得格差と生態系劣化を
まねいた。多くの途上国も同様の道筋をたどり、結果、自国内に経済格差を生む事に
なった。

 人類のフットプリントは過大になり、社会経済の真の進歩の阻害要因が基幹的インフラ
の不足というよりも、自然資源や生態系サービスの制約である場合が多くなってきた。

 人口増加と所得増大によって、人間の諸活動が「地球システムの境界」を超えようとして
いる今日、「繁栄」を再定義する必要がある。まず理解しておくべきは、「経済の最終
目標は、人間のウェルビーイングと持続可能な生活の質の改善にある」という事、そして
「淡水・土壌・清浄な空気・安定した気候・廃棄物の処理・授粉等々の必須な生態系
サービスを提供する生態システムこそが、人間のウェルビーイングに真に貢献している」
という事である。

 生態系サービスに対する過剰な消費と貧弱な保全の結果として、人類が生物物理学的な
危機に直面している事を認識したならば、市場経済の影響を緩和し、生態系という公共財
の資質と量を保全するために、制度や技術に資金を投じる必要がある。所期の成果を得る
ためには、精緻に構築された財産権体系を骨子とする、新たな制度が必要である。
 
 生態系に対する明確な財産権を確立するためには、全てを私有化してしまう事なく、
私有、国有そして共有という三様の財産権を的確に組み合わせた制度が必要である。

 そうした制度の例として、様々な規模のコモンズ・トラストが考えられる。トラスト
では、既存の多くの土地トラストがそうであるように、コモンズを私有化せずに財産化
する事が可能である。コモンズ・トラストは、人間のウェルビーイングにある意味で必要
不可欠で、自然によって提供される資源である重要な自然資本を保全・修復する事が
できる。

著者:Ida Kubiszewski is a research assistant professor and Robert Costanza is
Distinguished University Professor of Sustainability at the Institute for
Sustainable Solutions at Portland State University.

ワールドウォッチジャパン ワールドウォッチジャパン(08/04/15転載承認済み)






平成27年5月28日




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