経費、費用、コスト
経費を表す言葉は色々ありますが、どのように考えたらよいのでしょうか。よく削減の対象となるのが経費ですが、経費を削減して果たして利益は増えるのでしょうか？一時的な効果は当然あると思いますが、将来的利益の免失にはならないのでしょうか？
もっともポピュラーな経費削減は人件費です。でもこれっておかしくないですか。日本的な考えでは「企業は人なり」ですよね。人のために企業があるのか、企業のために人があるのか。現代社会の経済優先的な考えでは、「企業は金なり」なのでしょう。悲しいですね。人の意欲は対価と繋がりがあります。報酬が少ないとやる気も起こりません。会社の為にとは言いますが、経営の責任を社員に転化するのは頂けませんね。経営の成功報酬が役員報酬なら、責任も役員報酬ですよね。話しがそれましたので修正。人員の削減や人件費のカットは、将来的な人材を無くすことに繋がります。よって現在の利益を優先して、将来の生き残りを放棄しているように思えるのは私だけでしょうか？
そこで、今回経費の使い方について考えてみました。本当に経費は削減するしか方法がないのでしょうか。そもそも経費とは何なのでしょうか？経費の意味を理解しないで使い方を無視した削減は有効とはいえないのではないでしょうか。私が考える経費と費用とコストの違いを述べます。
経費・・・経営目的に費やす費用のこと。ようは売上確保に必要な費用ということです。
費用・・・これは文字の通り、使った費用のことですね。経費が売上に関連するなら費用
は売上に関連しない費用です。
コスト・・これは日本の考え方にない費用です。費用というより見積りです。経費や費用
は発生したものに対する考え方です。しかし、コストは発生する前の考え方で
す。経費や費用は売上から引くものですが、コストは逆です。こんなけの費用
がかかるからこんなけ売上が必要ですというものです。コストカッターで知ら
れるゴーン氏は、ものをつくる前の経費の削減に努めました。これに対して再
建王といわれた坪内氏は行動した後の費用を見て削減しました。これが経費（費
用）とコストの違いではないでしょうか。
ここで簡単に整理すると、経費・費用は結果に対するもの。コストは計画における事前のものです。貴方はどちらの費用の使い方をしますか。する前に考えるのが普通ですよね。
さて、では削減という問題に入っていきます。削減というより使い方のほうが適切ですね。
経費は、削減するものではありません。経費は資本に係わるものです。資本は削減するのではなく活用するものです。つまり効率を向上させる使い方をするのが経費です。効率が悪いからといって、経費の削減をすると売上は落ちるばかりです。効率が悪くて落ちた売上は効率の向上で取り戻せますが、削減で失われた売上はもとには戻りません。また、最初からのスタートになります。
費用は、売上に関係しない費用です。例えば事務費などもそうです。事務費の中でもペーパーは費用ですが、コンピューターは経費です。費用は削減する前に、「つくらない、増やさない、再利用」が前提となります。ん、どこかで聞いたような言い回しですね。そうです、ゴミのリサイクルの考え方です。費用はゴミとなるものです。ゴミは有効利用を考えることが大切です。
コストは、生産前の見積りです。所望の性能を考え、最も安くその性能が手に入れられるように計画を立てることが大切です。コストは積み上げ方式なのです。そしてコストに見合う結果を出すことが求められます。
以上が私の考えるところの経費・費用・コストの考え方と使い方です。
