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土壌微生物 根圏の微生物

目次を作りました。順番に見てね
土壌のしくみ
土壌微生物
根圏の周りの微生物
根の構造と働き
 作物は根から養分や水分を吸収するとともに、微生物に餌を提供しています。根を理解するためにまず、根の構造をみてみましょう。

中心柱 :
 作物の体を支える骨格で硬く、根の吸収した養分を地上部に運ぶ導管と、光合成物質を根に運ぶふるい管があります。
皮層組織:表面の表皮組織と中心柱との間が皮層組織で細胞は大きく、細胞間には比較的大きな隙間が開いています。ここではでん粉や吸収した養分を貯留し、細胞間の隙間では上部から根へ酸素を運びます。
根冠  : 
 根冠は、その後部にある生長点を保護する役割をもっており、生長点で細胞分裂が活発に行なわれ、中心柱、皮層、表皮、根冠となり根は先へ伸びていきます。根の伸長にともなって古い根冠は、そのまま根から脱落していきます。そして根冠からはムシゲルという粘性の高い多糖類が分泌され、土壌に根の貫入をスムーズにします。ムシとは粘性という意味でムシゲルと呼ばれる。ムシゲルは根冠部で最も厚く、根の側の根毛が活発に生長する部分までおおっています。
根毛  :
 根毛は一番外側の表皮が成長したもので、通常根冠には根毛はなく先端から5ミリ程度の位置から形成され始める。根毛によって根の表面積は3倍くらいまで増加します。このため水分や養分の吸収には重要な役割を果たします。

根圏
 根の周囲の水分や養分は、根の活動によってが吸収され減少します。減少した分は根から離れた場所から補給されてきますが、補給が追いつかないと養水分の欠乏地帯が生じます。特にリン酸のように土壌粒子に吸着されやすい養分は、土壌中の移動速度が遅いので施肥量が少ないと欠乏状態が長く続き、作物の生長も中断してしまいます。
一方、根冠からは細胞が脱落しムシゲルが分泌され、ムシゲルは根自体によって合成され微生物が共存するとその量は増えます。根冠よりもやや上部位でも表皮細胞が老化し死んだ細胞が剥離され脱落してきますし、根自体からも糖・アミノ酸・ビタミンなども分泌され、これらもムシゲルと一緒になります。さらに土壌の粘土鉱物や微生物菌体もムシゲルと一緒になっています。また、ムシゲルがない根冠から離れた古い根の部分ででは、老化した脱落細胞や根からの分泌物が直接土壌に放出されます。このように根からはいろんな形で有機物が放出され、有機状態では作物が光合成で同化した炭素の12〜40%が根から放出されると言われており、土壌中の微生物にとって絶好の餌場であり、根の防御機構を破れる菌にとっては、さらに根の内部は餌の空間となります。
このような養分範囲と微生物範囲の両面から根圏という。根圏とは根そのものと、根の影響のおよぶ根の周囲の土壌から成り立っています。

根の微生物の定着
 根は微生物の攻撃から身を守るため抗菌物質を保持しており、抗菌物質に耐性のない菌は根面に定着しても数日で消滅してしまいます。耐性のある非病原性のカビの場合、根面で菌糸を伸ばし2ヶ月目あたりから根の内部へ侵入をし始めます。しかし、その能力には差があり、表皮組織や皮層組織までしか侵入できないカビと、中心まで侵入できるカビとがあります。細菌はカビに比べて表皮を構成している高分子物質を分解する能力に劣り根の内部に侵入することはできません。しかし、センチュウや土壌害虫が破いた穴や2次根が形成されるときにつくられる付け根にできる穴、古くなって崩壊した表皮組織の穴などからは侵入できます。若い根には抗菌物質も多いので、生育後期から細菌の侵入が活発になってきます。

根圏の微生物
 根圏に定着する微生物の種類は非根圏土壌のものとは若干異なっています。定植後2,3ヶ月の間で細菌とカビ菌糸の量を比較すると、非根圏土壌ではカビ菌糸の重量の方が細菌よりも3、4倍多いのに対して、根圏では細菌の重量がカビ菌糸の重量と同等か多い。これは根から低分子の有機物が供給される結果、細菌の増殖速度が速くおこなわれる為である。しかしこれは連作してない作物で2ヶ月目まで、連作すると前作で集積したカビの非建研土壌での密度が高く、当初から根圏でのカビ菌糸が多い。また連作してないものであっても2,3ヶ月以上たつと、カビが根に侵入して、根からの養分を直接吸収して著しく増殖することでカビ菌糸の重量が増すことになります。

非病原性微生物の役割
 無菌状態で植物を栽培すると、有菌状態よりも根の長さ、量、分岐が多くなり根が広範に広がります。しかし、自然界では無菌状態はなく、無菌状態に病原性微生物を接種すると、ほぼ全部の固体が病気になってしまいますが、非病原性微生物を同時に接種すると病気になる固体が激減します。これは非病原性微生物と病原性微生物の間で競争が起きて、素早く増殖できる非病原性微生物が、病原性微生物を排除することで、病気の抑制効果を発揮しています。病原性微生物のレベルが高くなると非病原性微生物でも病気を抑えることができなくなります。

根圏でのpH
 根圏では根によって養分・水・酸素が吸収され、有機物や二酸化炭素が放出され、根に集積した微生物によって物質代謝が営まれており、この結果として根圏の環境は非根圏とは異なっています。その一つとして水素イオン濃度(pH)があります。
 根は自ら有機酸を分泌していますが、その量は作物によって異なります。分泌量の多い作物には大豆があり、分泌量の少ないものにはレタス、カボチャ、シソ、小麦などがあり、その中間としてキャベツ、ホウレン草、白菜、ナス、胡瓜、トマト、とうもろこしなどがあります。有機酸の分泌量の多い作物ほど、根圏のpHが低く酸性を示しています。
 根圏のpHは施肥いよっても変わりアンモニア態肥料(硫安)と硝酸態肥料(硝酸カルシウム)を施した場合では、アンモニア態肥料では酸性へ、硝酸態肥料ではアルカリ性へと向き、場合によってはpHで1以上の差がつく場合があります。pHが1違うと水素イオン濃度は10倍違うことになり、微生物の活動にも大きく影響を与えることになり、病原性微生物に対しても病気の出方に変化がでてくることになります。酸性土壌で猛威をふるう病原菌、胡瓜・メロン・スイカのつる割病、トマト・牛蒡の萎ちょう病などのフザリウム病、リゾクトニア病や菌核病ではアンモニア態肥料で病気が激化し、硝酸態肥料では軽減されます。アルカリ性土壌で猛威をふるうコムギ立枯病、ジャガイモそうか病、タバコ黒根病などでは硝酸態肥料では病気は激化し、アンモニア態肥料で軽減されます。

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