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土壌微生物9  

目次を作りました。順番に見てね

土壌のしくみ
土壌微生物
新鮮有機物がもたらす三つの害
1、ピシウム菌による苗立枯れ
   新鮮有機物の施用後、10日以内で急増し、幼根に侵入して根を壊死させ、苗立枯れを起こします。通常は3週間以内で爆発的な増殖は完了するので、3週間経過してからの播種をすればピシウムの害は回避できます。
2、有害物質の生成
   成熟した植物体は有害成分を持っており、植物体の中では他成分と結合して無毒化されているが、腐植の段階では結合が切られ有害化します。代表的なものはフェノール性酸でベンゼン環をもった低分子物質です。新鮮有機物の分解過程で生じたフェノール性酸は、多くの菌によって分解され消失されますが、蓄積は新鮮有機物の周りに限定され、その害は新鮮有機物と根の接触部分であらわれます。症状は根が褐色になって生長しなくなります。施用後40日経過すると有害物質は分解され問題はなくなります。

3、窒素飢餓
   C/N比の高い有機物を施用すれば窒素飢餓になります。(前述済み)
  
堆肥化の目的(微生物からみた)
 堆肥化することで上記三つの新鮮有機物の障害を少なくすることが目的とされる。
新鮮有機物を堆積した場合の分解過程は、水溶性成分(単糖類やアミノ酸)  セミロース・ヘミセルロース   リグニンの順で行なわれます。これは土壌中でも同じように行なわれます。但し土壌中では有機物の分解過程で温度の上昇はそれほど見られません。発熱は、微生物が有機物を餌としてエネルギーをATPに蓄積し、そのATPを用いて代謝や運動を営む際に、ATPが分解してかなりの部分が熱エネルギーとして逃げることで起こります。堆肥化では狭い体積のなかに活動が限定され、大量の餌を多量の微生物が一斉に分解をし始める為に一気に温度が上昇します。土壌でも実際は発熱しているのですが、土壌に対して発熱量が小さいので、温度の上昇は感じられません。また、堆積による発熱で病原菌や雑種子は死滅します。堆積物の外側と中心部では大きな温度差があり、温度分布に応じた菌が同時に活動しています。このため分解のむらをなくして、酸素を補給するために切り返しを行ないます。

有機物の連用
 稲わらの堆肥を施用したとき、最初の1年間で放出される窒素は、堆肥に含まれる窒素の20%にしかすぎない。残り80%の窒素はそのまま堆肥に残りたり、菌体に保持されたままになっている。堆肥の連用を毎年続けていくと、5年目には施用した堆肥中の窒素の40%、10年目には50%、20年目には70%、50年目には90%が無機態として放出される。これは施用後に有機態として残った窒素の一部が翌年、さらに翌々年と送れて無機化されて、その年に施用された堆肥から無機化されてくる窒素に加算されるので、堆肥の連用による窒素の無機化量の変化を考慮した堆肥の投入を行なわなければなりません。
試験データーによると「堆肥を毎年一定量連用していく場合、はじめのうちは堆肥からの窒素の無機化量が少なく、化学肥料を上積みしたぶんだけ収量も向上します。過度の堆肥を連用し続けると7年目以降ぐらいから窒素の無機化量が多くなりすぎて、倒伏し、収量は化学肥料のみの場合と等しいか、それ以下にもなりえます。長期的に土壌からの窒素供給量を高めて、生産を高位かつ安定に保つためには、10アール当たり堆肥1,2tが適量であり、不足する分を化学肥料で補うのがよい。」となっています。

  堆肥施用における土壌窒素の無機化

有機物のリン酸効果
 堆肥に含まれるリン酸は窒素の約半分で、きゅう肥では窒素と同量かそれ以上です。平均的な堆肥1tには2kg、牛ふんきゅう肥には7kgのリン酸が含まれていると言われています。堆きゅう肥中のリン酸の利用率は10〜20%で、化学肥料によるリン酸の利用率は5〜15%となっている。これはリン酸が堆きゅう肥に保持されているので、土壌に直接触れるのが少ないので難容化しにくく、根が直接堆きゅう肥に侵入して無機化されるリンを直接吸収されるためと考えられています。土壌中でリン酸が難容化する理由は、リン酸がカルシウム、鉄、アルミニウムなどと結合している為で、特に黒ボク土には活性のアルミニウムが多いので難容化しやすい。
 リン容解菌にはクエン酸、乳酸などの有機酸を分泌する細菌やカビなどで、土壌に広く分布している平凡な菌です。リン容解菌は有機物を餌にして増殖する際に、有機酸を多く分泌します。この有機酸がリンと結合しているアルミなどの物質と結合して、リン酸を遊離させます。遊離されたリン酸は再び難容化する前に他の微生物に吸収されて菌体に取組まれます。菌体の死滅によって菌体から無機態として放出され作物に利用されます。

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