<< 土壌微生物 微生物のエネルギー源 | main | 勝利の方程式(ナポレオンの方程式) >>

土壌微生物6 好気性、嫌気性微生物

目次を作りました。順番に見てね

土壌微生物
3、好気性、嫌気性微生物
 嫌気性微生物は、一見して酸素が沢山ある畑でも少数とはいえ意外なほどに生息しています。畑では土壌粒子は複雑な3次元構造をしており、構造的に酸素の流入しにくい場所が沢山あります。また酸素を消耗して有機物を分解する微生物がいるところでは、酸素がない場所ができます。嫌気性微生物は有機物からエネルギーと細胞成分を合成する反応系をもっており、ここでは糖をピルビン酸に変え、このときにATPが合成されます(これを発酵系といいます)。そしてピルビン酸からアミノ酸や脂肪酸などの細胞成分を合成しまし、余ったピルビン酸は乳酸、酢酸、エチルアルコールなどに変えられ体外に放出されます。体外放出された乳酸などは、また別の微生物がすぐに分解をしていきます。
 これとは逆に好気性微生物は発酵系で作られたピルビン酸を、酸素を使って水と炭酸ガスに完全分解し、ピルビン酸の中に残っていた物質から沢山のATPをつくる呼吸系の反応系を持っています。呼吸系では、同じ量のブドウ糖を食べても、発酵系に比べて20倍以上のATPが合成できます。
 嫌気性微生物の中には、酸素があると死んでしまうものがいますが、これを「絶対的嫌気性菌」といい、細菌にのみ存在します。しかしこの絶対的嫌気性菌の中でも酸素の中でも耐えられる耐気性嫌気性細菌が存在しますが、増殖することはできません。また酸素があってもなくても生活できる細菌を条件的嫌気性細菌と呼んでいます。酸素がなければ発酵系でエネルギーを獲得し、酸素があれば呼吸系で生活します。細菌以外でこのような条件変化で生活できるのは酵母です。

脱窒菌
 絶対好気性細菌の中に脱膣菌と呼ばれる細菌がいますが、しかしこの細菌は酸素のない条件下でも呼吸系で生活できます。これは硝酸(窒素)を酸素の代わりに消費して窒素ガスか亜酸化窒素ガスに変え放出します。このような過程では窒素がガスとなって逃げるので、脱膣といいさらに窒素肥料が無駄になることになります。脱膣菌には無機栄養のものもいますが、有機物を栄養にする脱膣菌のほうが多いです。土壌に有機物が多ければ、まず通常の呼吸系で有機物を分解して酸素を消費し、酸素がなくなると硝酸態窒素を使って呼吸系で有機物を分解していきます。このように脱膣菌は嫌気的な土壌でも、好気的な土壌でもやがて脱膣が起きます。畑では絶えず、硝酸菌によって硝酸が作られており、そこに有機物が投入されれば意外なほど脱膣が生じてしまいます。

微生物の栄養素
 有機栄養微生物にとっての栄養素はどのようになっているのでしょうか。有機物の中に有機微生物が成長するのに必要な栄養素が入っているわけではありません。有機物の中にはブドウ糖(グルコース)、砂糖、澱粉、セルロースなどの糖のように、炭素、水素、酸素しかないものがあります。こうした糖だけを餌にしたときはエネルギー源としてのATPは合成されるが、糖、有機酸、脂肪のみの細胞成分では増殖はできないからです。
 細胞成分のアミノ酸やたんぱく質をつくるには窒素とイオウ、核酸を作るにはリンが必要です。このような有機物を餌にしたときは無機物で窒素、リン、イオウを与える必要があります。炭素以外の栄養元素を無機物から摂ることは微生物に共通しています。しかし、有機物にこれらの元素が含まれていれば、その元素を利用します。有機物中の元素だけでは不足ならば、無機物中の元素で補充して細胞成分を合成(有機化)し、有機物中に元素が必要量以上あれば、無機態として元素を放出(無機化)します。
 土壌では有機栄養微生物の餌のうち炭素が最も不足しています。こらは発酵や呼吸で取り入れた有機炭素のうち7割以上は二酸化炭素として放出されてしまうからです。炭素に富む有機物を施用すればブドウ糖だけでも、土壌にある無機物を利用して爆発的な増殖が起きます。また微生物は有機物を求めて有機物の破片に集中して存在します。しかし有機炭素のみでは、やがて無機態窒素が枯渇します。このことからも分るように有機栄養微生物にとって必要な栄養源の順位は〕機炭素、窒素、リン、ぅぅウの順番です。


コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
recommend
recommend
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす (JUGEMレビュー »)
森山 晃嗣, Gary F. Gordon, ゲリー・F. ゴードン
ミネラルの大切さが解かります
recommend
免疫革命
免疫革命 (JUGEMレビュー »)
安保 徹
交感神経と副交感神経の関係がわかります。
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM