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消費から見た農業

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消費から見た農業                
(消費と環境と農業=フードマイレージ)
 今世界は、アメリカが生産する食料なくして胃袋を満たすことは不可能だと言われています。一方で日本の食糧自給率はわずか4割。年々減少しています。例えば大豆は世界の4割、日本の実に7割がアメリカ産なのです。アメリカの大豆がなければ、おいしい和食も食べられなくなってしまうのです。
 しかし、アメリカの大規模農場で実際行われていることとは…。24時間エサを与えられ続け、工場製品の様に育てられる肉牛や、遺伝子組み換え技術によって、どんな環境でも育つようになったトウモロコシ。こうした食料が数万キロ離れた世界各地へと出荷されているのです。経営者は言います。「俺たちが世界の食を支えているんだ」と。
 (これは2004年12月26日放映の「素敵な宇宙船地球号」からの抜出です。)
 牛肉生産世界1位のアメリカでは、畜産も工場製品として生産されています。テキサスでは「工場式畜産」と呼ばれる方法で肉牛を飼育しています。広大な不毛の大地で、柵切られ、子牛を引取り囲いに入れて運動を制限し、2年間太らせて出荷します。当然不毛の地ですから、ここでは牛たちは草をはむことなく飼料のみを食べます。遺伝子組換えの合成飼料を、それも24時間与えられ続けているのです。その牛の目は、虚ろで無表情です。当然、これら牛たちは、牛が本来もっている機能をなくしています。放牧の牛は反芻をしますが、ここの牛たちは反芻をしません。これら遺伝子組換え飼料で育てられた牛が世界に出荷されていくのです。BSE問題が浮上するまでは、日本は4割近くをアメリカから輸入していました。
 アメリカの農業人口の割合は、50年前人口の45%が農業を営んでいました。今、農業に携わっているのは、わずか2%にしか過ぎません。小さな農家は消えても、農場が大規模になり、生産量は増え続けています。番組で紹介せれた大規模農業のトウモロコシも全世界で食べられています。そう、これも遺伝子組換え食品です。遺伝子組換えにより周りに雑草が生えにくくしたコーンや殺虫効果があり虫を寄せ付けない殺虫遺伝子を組み込んだコーンを作っています。農場主は、このように話しています「うちコーンの安全性は、科学が証明しつつある、環境にもいいし、家族も食べているんだ」と・・・・。
 
 今、世界中を縦横無尽に駆け巡る食べもの、この移動が地球環境と大いに関係があるのではないかという指摘があります。移動の途中で排出される二酸化炭素やその他の有害物質が問題視されています。日本が輸入するまでの平均距離は1万キロです。アメリカでも食べ物は平均2500km移動するというデーターがあります。
番組中で面白い実験がなされていました。2種類のトマトを並べて消費者がどちらを選ぶかというものです。

 実験ではカナダ産と地元産のトマトを並べて、地元のトマトは移動距離100km、移動過程で排出されたCO  2排出量4.5g、一方カナダ産の移動距離は1050km、CO  2排出量27gです。この表示のエコラベルを見た消費者はどちらを選ぶのか?という実験です。最初はエコラベルを表示しないで、後でエコラベルを表示するという方法で行なわれました。


エコラベルを表示しない場合は同程度の売れ行きでしたが、エコラベルを表示すると地元産95%、カナダ産5%となりました。


同様な実験がリンゴでも行なわれました。

しかし、リンゴの場合は、9割の人がワシントン産を選びました。これは試食による実験でした。トマトの場合は味が同じで、リンゴの場合はワシントン産が美味しかったのです。
 アイオワ州立大学のピログ氏は、消費者の「食」に対する意識には、二つの段階があると分析します。食を選択する基準は、「味」「新鮮さ」「質感」「価格」の4つ。これが満たされて初めて消費者は環境保護や地元農家の指示といった問題に関心を示すというのです。中でも優先順位が高いのが「味」。おいしければ15%の消費者は、価格が3割ほど高くても地元産を買ってくれる。つまりおいしくなければ、いくら環境にいいといっても買わないのです。

フードマイレージ(Food mileage)
 環境問題が深刻になる中、輸入物などの食品の移動距離が問題視されるようになってきています。フードマイレージとは、食糧の生産地から食卓までの輸送距離が、環境にあたえる負荷を数値化したもので、重さが大きいほど、距離が遠いほど輸送エネルギーの消費が大きくなり、その分環境に与える負荷エネルギーも大きいものとなります。これは英国の消費者運動家のティム・ラング氏が提唱したもので「農産物の重量×輸送距離」で表示されます。輸出入の場合、食糧輸出国から輸入国に向けられた農産物の量(t)に輸送距離(km)を掛けて算出されます。
フードマイレージ(t・km)=食料輸出国からの輸入量×輸出国から日本までの距離
 日本のフードマイレージを農林水産省が試算した数値(2000年)では5000億tkmにもなります。これは米国の3.7倍、韓国の3.4倍に相当します。また、この数値は国内におけるすべての貨物輸送量にほぼ匹敵します。このことから見ても日本が食物を輸入するのに環境に過大な負荷を与えていることは明白です。最近では自給率の向上を目指す傍ら、各生産地で地産地消が言われるようになり、フードマイレージの軽減にもつながっています。また、地産地消により生産者の顔が明確に分るようになるとともに、鮮度でも美味しいものを直接消費者に届けられるメリットがあります。

地元一体型 循環社会を考える
 ここまでで経済・健康・環境・消費という観点から農業を見てみました。ではこれら4つの観点が結び付けられるものはなんでしょうか。そう「自給自足で賄える食環境」が大切であることに気がつきます。その為には地産地消でなければならないのです。日本国内の消費は日本国内で賄うという姿勢が、新しい農業への取組となっていくのではないでしょうか。新しい取組では、全ての食の根源である作物から始まります。肉を育てるにも作物は必要です。健全な作物で育った畜産動物は、健康な肉と乳から作られるチーズなど加工食品となる原料も安全で健康です。安全・健康の循環が循環型社会の構築には必要であり、環境などの面も考慮すると地産地消となるわけです。循環型社会の構築では、物質的な循環のみが取り扱われていますが、大事なのは内容です。その循環される物質の構成物質(細胞レベルで)が安全で健康であることが非常に重要だと思います。
 その為には食のスタート地点である農地の健全性が重要であることに気がつくはずです。工業製品に言われることですが「安全で、安価で、所望の性能を発揮する」ことのできる農地とは何であるか? 今一度考えてみたいものです。

このような地元地域に限定するのは、地域社会では広すぎるので、最小限の行動が可能な地元地域の顔見知りによる運営が一番好ましいと思います。また、食材の輸送に関しても時間がかかると価値が落ちるし、フードマイレージが高くなり環境負荷が増します。しかし、消費の経済圏内であれば、誰がどのようにして作ったかは、自ずとわかることでもあり、尚一層の地元密着でお互いの信頼関係が増すと思われる。この地元一帯の距離は時間にして1時間以内の手軽な場所での構築が、経済的にも、環境的にも、また顔の見える範囲ではないかと考えます。
地域一体でなく地元一体(地元一帯)が望ましい。しかし、現在の物流を考えると世界的な動きの中で行なわれるものと、ある程度の地域範囲内での二通りです。国内での自給率を上げるためにも、フードマイレージを考えた流通の検討が今からの必要課題ではないでしょうか?
 実際、最近では地産地消、身土不二が盛んに言われるようになってきています。



ワールドウォッチジャパン環境問題へのリンクです


                  
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