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土壌微生物 醗酵と分解

目次を作りました。順番に見てね

第二章 土壌微生物
堆肥と微生物
醗酵と分解
 一般的に使われている醗酵は微生物の働きでできた生産物が、私たちの生活に役立つものを「醗酵」といい、役に立たないものを「腐敗」と呼ばれている。このことから農業生産における堆肥つくりの微生物の働きは醗酵と呼ばれている。しかし学術的にいうと酸素を使わない嫌気性菌の働きで物質を作ることを「醗酵」といい、酸素を使って有機物を分解する好気性菌の働きは「分解」といいます。
 堆肥化には一部の嫌気性菌も働きますが、大部分は好気性菌の働きで有機物を二酸化炭素と水に分解しながら堆肥化が進んでいきます。嫌気的条件で堆肥を作ると黄色がかった色になり悪臭が発生し腐敗状態になります。このように空気が充分に供給されないと分解は進まず腐敗へとなります。含水率が高いと積み込みが強くなり、堆肥の隙間が埋まり空気が通らなくなり腐敗へとなります。空気が充分に行きわたると好気性菌が働き分解へと進みます。このような堆肥化の分解過程は3段階に分けることができます。
好気性微生物:酸素を活用して分解を行なう微生物
嫌気性微生物:酸素を必要とせず醗酵を行なう微生物

第1段階:初期分解
 堆肥化においてまず分解されるのは低分子の糖類やタンパク質、アミノ酸などの易分解性有機物が微生物によって分解されます。低分子の糖類はほとんどの微生物が分解し二酸化炭素と水に分けられます。デンプンは糸状菌や細菌の中でも特殊な種類の働きによってブドウ糖に変わり、他の微生物によって分解されます。タンパク質は微生物による加水分解を受けてポリペプチドからアミノ酸に変わり、アミノ酸はアンモニア・二酸化炭素・有機酸・アルコールなどに変化し、さらに他の微生物が分解をしていきます。タンパク質に含まれる窒素の50%〜80%がアンモニアに分解されます。嫌気性分解ではアミンやメルカプタンなどができ悪臭の原因となります。

第2段階:繊維質分解
 植物性有機物のほとんどは繊維質で、セルロースやヘミセルロース、リグニンで構成されています。微生物による分解はセミヘルロースが最も分解されやすく、リグニンは極めて分解されにくいです。堆肥化では50〜75%の含水率であれば糸状菌などの好気性微生物が働き、80〜95%の高い含水率では嫌気性微生物が発生し、好気性微生物の発育は阻害されます。

第3段階:リグニンの分解
 リグニンは複雑な構造を持つ化合物で、微生物による分解が困難なため、難分解性物質とされています。好気性の条件の下でリグニンは徐々に分解され、糸状菌や担子菌(キノコ)などのやや大型の微生物が分解をします。リグニンの分解が起こるようになると堆肥は黒褐色の良好な状態となり、堆肥の表面には担子菌が発生し、堆肥の中ではミミズが生息するようになってきます。このような状態を「完熟」といいます。


微生物の環境保全
 堆肥化は微生物の活動によって行なうものなので、この微生物が活動しやすい環境を整えることが堆肥化の条件である。その条件はヾ淇緡─↓炭素率、pH、げ硬戞↓ト生物相であり、その中でも含水率と炭素率が主因です。含水率は通気性つまり空気量を調整し、炭素率は微生物のエネルギーの調整にあたります。

含水率
 含水量が少ないと微生物は増殖できず好気性の分解が不十分になり、含水量が多いと酸素の不足から嫌気状態になり、好気性微生物から嫌気性微生物に主体が移り嫌気性下での醗酵が行なわれます。堆肥化に適した含水率は57〜%65%(堆肥の種類や作成方法によって50%〜60%の範囲が一般的に適していると言われています。しかしここでは第一章から進めている堆肥を基準としています。)
 空気が不足した状態では堆積した内部は嫌気的になり嫌気微生物の働きで腐敗が起こる。また、空気が過剰だと冷却され充分な蓄熱ができず分解が進まなくなります。この空気の通気性の目安となるのが比重で、適正な比重は0.6としています。

炭素率
 微生物が活動するためのエネルギー源となる成分は炭素:Cで微生物が増殖するための菌体を構成する成分は窒素:Nが必要です。この割合C/N比が20〜30が最適とされています。

PH
 堆肥化の過程ではアンモニアが発生するため、堆肥化はアルカリ性の状態で行なわれ、pHが7〜8の弱アルカリ性のとき、有機物の分解が最大になります。このようにpHは微生物活性に大きく影響を与えます。
 温度・微生物相については第3章堆肥のつくりかたで説明します。

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