<< 環境から見た農業 | main | やさいの環境2 >>

健康から見た農業

目次を作りました。順番に見てね

●健康から見た農業   
 1990年までアメリカはガンの多い国でしたが、最近では減少傾向に転じています。アメリカ政府はマクガバン・レポートにより「病気は食事や栄養の摂りかたの歪によって起きる」として健康管理を食事からするようにプロジェクトを推進して来ました。日本でも今まで「成人病」と呼ばれていたものが「生活習慣病」といわれるようになってきたのもこのようなことが理由ではないでしょうか。
 1982年アメリカ国立科学アカデミーが「食と栄養とガン」という研究報告書を作成し、食習慣の改善ががん予防につながると明記されており、アメリカ国民の関心をひきました。また、1990年にスタートした「デザイナーフーズプロジェクト」では、植物性食品によるガンの予防効果に焦点をあて、がん予防に有効と思われる食品約40種をピックアップして、それぞれの重要度を示すピラミッド型の図を作成して、積極的な摂取を呼びかけました。代替医療部で研究されているもののなかでも栄養素療法(食事療法)は最も大きなウエートを占めています。


 最近の医学(西洋医学外)では体内から発生する病気は免疫力の低下から引き起こされるという趣旨の書籍を頻繁に目にする機会が多くなっています。また、テレビなどでも取り上げられ放映されたり、免疫治療の病院も少数ではありますが紹介されたりしています。
 上記の栄養素療法も免疫機能の強化にあたるのではないでしょうか?ここで数例紹介します。フランスのガストン・ネサン博士が免疫強化剤として開発した「714−X」は、末期ガンや変性疾患、ウイルス疾患などの治療で1000人のうち750人が完治したという驚くべき報告もあります。アイシュタインの主治医のマックス・ゲルソン博士は「体を全身でひとつのものと考え、全体の機能を向上させることを目指さなければガンは退治できない」としてガンの原因は患部という部分でなく、ガンにかかってしまう抵抗力のない体そのものに原因があるとしています。結核が不治の病とされた時代にゲルソン博士は、そのときの結核患者に人参ジュースやニンニクをはじめとした無農薬有機栽培の野菜を搾って作ったスープで、殆どの患者の結核を完治させたことでも有名です。
 ゲルソン博士は今から50年前に「患者に与えている野菜や果物、穀類など、農作物全般のパワーがなくなっている。栄養価が落ちてきているのではないか」と指摘しています。農産物の力が落ちてきているという力とは、植物栄養素であるミネラルの減少にほかなりません。植物が生長するとき土壌からミネラルを吸収します。土壌は植物にミネラルを吸収された分だけ、土壌のミネラルは減少します。しかし、自然のサイクルの中では、養分は循環しています。以前は自然のサイクルと同じサイクルでの作物を作っていました。落ち葉を集めて家畜ふんと混ぜて堆肥を作り、そこから作った作物を収穫し、体内に取り込んで、残飯(生ゴミ)や排泄物を収集して、堆肥に混ぜ込むといった循環サイクルのなかでの生命連鎖でした。しかし1908年に先進国で化学肥料が市販されるようになり、人間と同じように植物にも窒素、リン、カリといった3大栄養素があり、この栄養素を主体とした化学肥料を使うと、短期間に手軽に大量の作物が収穫できるようになり、世界に普及しました。このためミネラルのリサイクルが行なわれなくなり窒素、リン、カリ以外のミネラルが枯渇することになりました。現在確認されている植物の必須ミネラルは「窒素、リン、カリ、水素、炭素、酸素、カルシウム、硫黄、塩素、ホウ素、マンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、マグネシウムの16種です。これら元素のうちどれが欠けても健全な生育はできません。
 これと同じように人体においてもミネラルの欠乏は健全な発育をもたらしません。人間の体の生命維持活動に必要な栄養素のうち、蛋白質、炭水化物、脂質を「三大栄養素」と呼びます。これら三大栄養素はエネルギー源として活用されます。栄養素には、このほかにビタミンとミネラルがありますが、三大栄養素のようにエネルギー源として使用されるのでなく、ほかの栄養素と絡まって体の様々な機能を調節するために使用されます。
 ビタミンは複数の元素から構成される有機化合物であるのに対して、ミネラルは「単体の元素」そのものです。元素は物質を化学的に分解していったときに、最後に得られる最小単位の要素です。人間の体を構成する元素は、今のところ30種類まで確認されています。
人体の約95%は酸素、炭素、水素、窒素でできており、これら4元素を「主要元素」といいます。人体の残り5%が微量元素で、これを栄養学では「ミネラル」「無機質」と呼んでいます。微量元素は「準主要元素」と「微量元素」に分けられます。準主要元素は人体に3〜4%含まれているカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、硫黄、塩素。微量元素は0.02%の鉄、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルト、フッ素、ケイ素などです。
 ビタミンとミネラルの違いは、ビタミンは体内で合成することができますが、ミネラルは最小単位の元素なので原料のミネラルがなければ合成もできません。ミネラルがビタミン以上に摂取を心がけなければならない理由がそこにあるのです。ビタミンが不足しても、体内ではミネラルがある程度までビタミンの代行をすることができます。しかし、ミネラルが不足するとビタミンは正常な機能を果たせなくなります。ミネラルの最も重要な仕事は、約2,000種といわれる酵素の反応に、酵素活性基(補酵素)として関わっています。「酵素」とは体内のさまざまな反応を促進させる触媒の働きをし、蛋白質をミネラルで合成された物質を指します。消化酵素も酵素の一つですが、ミネラルがなければ働きません。酵素反応が起こるとき、ミネラルは消耗されます。酵素が順調に働けば体内の様ざまな反応が迅速に行なわれ、新陳代謝がスムーズになり、健康を維持できます。しかし、ミネラルが欠乏すると酵素は正常に機能しなくなります。また、他にも役目を終えた酵素を分解したりするのもミネラルなので、なくてはならない栄養素です。

補酵素
 今では一般によく知られるようになった活性酸素は、生活習慣病の85%の病気を引き起こすとされております。しかし、人間の体には、もともと活性酸素の害から身を守るための能力をもつっています。抗酸化物質(スカベンジャー)は体の酸化を防ぐ物質で、その中の酵素を代表するのがSODです。SODは1秒間に9万個の活性酸素を中和して除去することができます。SODを働かせるには補酵素として亜鉛、マンガン、銅などのミネラルが必要です。SODが退治しきれなかった活性酸素は、さらに悪質な過酸化水素になります。これを退治するのがグルタチオンペルオキシターゼとカタラーゼという酵素で前者の補酵素はセレン、後者の補酵素は鉄です。セレンや鉄がなければ過酸化水素は退治できないことになり、病気の原因となります。

ミネラルバランス
 農業における土壌診断での、野菜の塩基バランスでは、石灰(カルシウム)、苦土(マグネシウム)、カリウムのバランスは5:2:1でした。これと同じように人体でのリン:カルシウム:マグネシウムのバランスは2:2:1です。リンとカルシウムではリンが過剰になるとカルシウムの代謝率が悪くなります。また、マグネシウムが不足してカルシウムが多くなると筋肉の収縮がうまくいかず痙攣などを起こします。細胞外液にはミネラルのなかでもナトリウムとカルシウムが多く含まれ、細胞内液にはカリウムとマグネシウムが多く含まれています。この4つのミネラルバランスがとれていると、栄養や酵素や水分の補給、老廃物の排出がともにスムーズに行なわれます。
 食品を加工するとき、頻繁に用いられるのが重縮合リン酸塩という食品添加物です。重縮合リン酸塩は、それを投与した物質のカルシウムとリンの比率を変えてしまう性質を持っています。この性質こぞが、食品を加工する際に利用される化学反応です。リン酸塩には肉類に含まれている正リン酸塩と重縮リン酸塩とがあり、重縮リン酸塩は正リン酸塩よりも危険性が高いことが分っています。この重縮リン酸塩の食品添加物としての能力は、1gにつき何mgの炭酸カルシウムを奪うかを示したカルシウムバリューという単位で計測されます。つまり、カルシウムを多く奪うほど、食品添加物としての加工能力が高いことになります。その用途は、変色防止剤、タンパク質の結着剤、保水剤、膨張剤、合成着色料として使用されます。一般に現代日本人の1日あたりのリン摂取量は1300mg以上、それに対してカルシウムは600mgと少なすぎです。リンとカルシウムの摂取比率は1:1が理想なので、カルシウムが如何に少ないか分ります。また、マグネシウムはカルシウムの摂取の補助をする働きをします。
(参考までにサプリでカルシウムを補う場合は、マグネシウムとの比率が重要です。例えば某社の製品ではカルシウムだけとかあります。他にもカルシウムとマグネシウムの比率が2:1になってないのもあります。アメリカのサプリ商品はこの点が改善されています。サプリ商品を購入する場合はラベルの含有比率に注意を。また、リンがないのは日常の食品の中にリンが含まれているからです。)

ミネラル
マグネシウムが不足するとイライラがつのり、興奮しやすい状態になります。集中力の低下、うつ状態、神経過敏などに陥りやすくなります。
 ナトリウムはカップ麺やケチャップ、味噌汁など多くの加工食品に含まれており過剰摂取が問題です。ナトリウム過剰になると細胞が水ぶくれに肥満や高血圧の原因になります。予防にはナトリウムの摂取を減らすほかカリウムの摂取を増やすことが有効です。カリウムが多くなれば細胞内外の浸透圧を均衡に維持できます。
 カリウムは、体内では60%が筋肉細胞に存在し、老廃物の排泄促進や正常な脈拍を保つなどホルモンの分泌促進にも役立ちます。カリウムが不足すると夏ばての原因にもなります。カリウムは野菜や果物など植物性食品に幅広く含まれていますが加熱に弱いのが難点です。コーヒーやお酒、甘いもの摂りすぎは体内のカリウムの量を減らします。
 鉄は体の各部に酸素を運ぶ重要な役割をしてます。また、そのほかに抗酸化酵素の補酵素としても欠かせない栄養素です。鉄不足は細胞の酸素の不足になりますので脳では神経過敏になったり、内臓なら食欲不振などになったりします。
 このほかのミネラルでは銅は鉄を助け動脈硬化予防にも効果的、モリブデンは食道ガン抑制作用、亜鉛は免疫機能を高めガンの予防や味覚障害や少精子化を防ぎます。マンガンは妊娠能力と母性を形成する愛情ミネラルです。セレンはガン抑制作用がありますが摂りすぎは中毒になります。ヨウ素は甲状腺ホルモンを作りエネルギー代謝を高めます。クロムは糖尿病や動脈硬化を予防、硫黄は肌のミネラルとも呼ばれ不足すると皮膚障害を起こします。塩素は体内でも殺菌効果を発揮します。コバルトは悪性貧血を防ぎます。

体質
 人間は1個の受精卵から細胞分裂を繰り返し、20歳前後には約60兆個の細胞を持つまでに成長します。それらの細胞は皮膚なら28日、胃なら200日、骨なら7年というサイクルで新陳代謝を繰り返しています。人の体質は、これらの細胞の質によって決まるとロジャー・ウイリアムス博士の正常分子栄養学の中で言われていることです。細胞の質は、血液の質によって決まり、血液の循環によって全身の細胞の質を支配します。さらに、この血液の質は、その人が食べたものによって決まります。細胞の質は、細胞を作る栄養の質、つまり食べ物の質ということになります。ウイリアム博士は「あなたは、あなたが食べたもの、飲んだもの以外からは何ひとつ作られていません。これは学問的に真実です。」と表現してます。

ミネラルと日本の農業
日本は火山国であり非常に火成岩が多く、長い年月の間に土壌中のカルシウムが海に流されてしまった、という歴史背景があります。よって土壌は酸性に偏りがちです。さらに化学肥料の普及でミネラル不足に陥っています。有機栽培でも虫に食われたり病気になったりします。これは長年栽培と収穫を繰り返したり、もともとミネラルが不足していたりしてミネラルを充分補給することがなく土壌が慢性的なミネラル不足に陥っているからです。いくら有機栽培でも不健康な土壌で作物を育成しても、健康な作物は収穫できません。それを化学肥料で強制的に育生しても健康な作物とは言えないのではないでしょうか。アメリカや欧州の有機農業と日本の有機農業では決定的に違うことがあります。アメリカでは40種以上のミネラルを含む農地を使わなければ有機栽培にはなりません。国際社会では、農作物にミネラルが不可欠なことは常識です。
 ドイツのリービッヒ博士は、構成比率より供給量の少ない元素が1種類でもあれば、植物はその最小限の元素の量までしか生長しないと発表しています。また、1945年にはイギリスの農場試験場でミネラルの欠乏した植物に各種の以上が発現することが証明されています。ミネラルが豊富できちんとした栄養をもっている作物は自ら虫を寄せ付けない酵素を生成します。これら作物は病気にも強く、害虫にも食われにくく、まっすぐに形よく生長します。このことは「土壌について」のところでも記載していく予定です。
 「健全な作物は、健康な土壌作りから始まる」のではないでしょうか。日本の農業はつい最近まで肥溜めを使っていました。これはまさにミネラルの縦貫です。肥溜めの醗酵には微生物が関与しています。土壌にはこの微生物の役割が重要です。農地にただ単にミネラルを投入してもそれだけでは植物は吸収できません。微生物の分解作用があって初めて作物が吸収できる状態に変わります。

(免疫、ミネラル等について興味のある方は、「免疫革命(安保 徹著)、」「アメリカはなぜ「ガン」が減少したか(森山 晃嗣著)」「食べもので若返る(中嶋 常允)」を推奨します)
ワールドウォッチジャパン環境問題へのリンクです




コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
recommend
recommend
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす (JUGEMレビュー »)
森山 晃嗣, Gary F. Gordon, ゲリー・F. ゴードン
ミネラルの大切さが解かります
recommend
免疫革命
免疫革命 (JUGEMレビュー »)
安保 徹
交感神経と副交感神経の関係がわかります。
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM