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環境から見た農業

目次を作りました。順番に見てね

環境から見た農業      
穀物生産量
 1997年の世界の穀物生産量は過去最高の18億7900万トンを収穫しました。しかし、それ以降は減少に転じています。世界の穀物生産のうち飼料として使用割れる割合は1999年で37%、概ね世界の穀物生産量の3分の1以上が畜産という形で消費されています。穀物生産第1位は中国で、その生産量は3億9500万トン、2位のアメリカは3億3300万トンで中国が約19%上回っています。第3位はインドで1億8500万トン、これら3カ国の生産量を合わせると世界穀物生産量の約半分を占めることになります。過去10年間の穀物生産の動向で対照的なのは旧ソ連と中国です。旧ソ連の穀物生産量は小麦で1990年に1億200万トンでしたが、1999年には3分の1減の6600万トンまでになりました。また、粗粒穀物については1億300万トンから4400万トンへと急減しています。これ程の食糧減産を経験した国は他にありあません。これとは逆に中国の穀物生産量は15%増加し3億4300万トンから3億9500万トンになっています。

世界の穀物生産量
年代生産量(100万トン)一人当たりKg
1950年631247
1960年824271
1970年1,079291
1980年1,430321
1990年1,769335
1999年1,855309

1996年の貯蔵量は過去最低の53日、2000年は66日、2004年は59日、安定貯蔵量の目安は70日分です

食肉生産量
 1960年の一人当たりの食肉生産量は21kgだったが1999年には36.3kgと1.7倍にもなっています。このことは経済の発展に比例して伸びています。しかし、中国などは今から経済発展を成していく途中であり、経済の発展と共に富裕層が増加し食肉の消費が増えることは薄明の事実です。1999年の中国での食肉の消費は5500万トンで、アメリカは3400万トンでした。   
今後10年間で、中国はさらに経済成長遂げ食肉生産量も急速に拡大しアメリカ以上になると予測されています。。

世界の食肉生産量
年代生産量(100万トン)一人当たりKg
1950年4417.2
1960年6421.0
1970年9626.0
1980年13229.5
1990年17432.9
1999年21736.3

食肉生産量の第1位は豚肉で中国とアメリカの2カ国で世界の半分を占めています。

穀物作付面積
1950年の一人当たりの穀物作付面積は0.23haでしたが、1970年には0.18ha、1999年には0.11haと減少を続けています。しかし、穀物生産量は増加してきております。このことは如何に農業技術が発展していったかを物語ると共に環境にも負荷を与えてきていることになります。現状では、これ以上の穀物増産は技術的にも限界があるとされています。
 作付面積とは1年間に収穫される穀物が作付される面積であり、耕作地1haで1年は収穫1年は休耕という場合は2haで計算されます。農地の減少にはただ単に農地の放棄ばかりでなく国によっては、生産性の悪い農地を持続可能な土地利用に転換することも珍しくはありません。中国が農耕地を失う一番の原因は、生産性の悪い農耕地を森林や牧草地に転換しているためです。
 一人当たりの作付面積が減少するにつれ、穀物輸入が増加してきているのが現実でっす。日本、韓国、台湾では一人当たりの穀物作付面積は、世界平均の4分の1以下になっており、穀物の70%以上を輸入に頼っています。2020年にはアジアの人口の約70%が、穀物の5分の1以上を海外に依存するようになると予測されています。
また、農耕地を正しく管理すれば環境にもよく二酸化炭素の9〜12%を吸収できるといいます。

世界の穀物作付面積
年代面積(100万ha)一人当たりha
1950年5870.23
1960年6390.21
1970年6630.18
1980年7220.16
1990年6940.13
1999年6740.11

農耕地は1981年の732万haをピークに減少し続けている。

化学肥料使用量
 ここ数年、化学肥料使用量は横ばいできています。1989年には一人当たりの化学肥料使用量は過去最高の28.1kgでした。しかし1999年には22.3kgと減少してきています。これは、化学肥料使用量全体では横ばいで推移しながら、世界人口が増加してきている為です。しかし、これらは世界全体の数値であり局地的な部分では、増加してきているところもあります。化学肥料使用量が横ばいの国は、アメリカ・カナダ・西ヨーロッパ・日本で、これと逆に増加している国はインド・ブラジルです。四大農業国の中国・インド・旧ソ連・アメリカでは、経済が悪化した旧ソ連では減少、アメリカは横ばい、インドは増加、中国は1987年の経済改革以後、急増しました。1977年では600万トンでしたが1997年には3600万トン、実に6倍の使用量まで達しました。しかし、近年では3100万トンまでに減少してきています。アメリカの使用量は1900万トン、インドは1600万トンであり、中国の多さはずば抜けています。
 世界の食糧需要が増大することを考えると、化学肥料の使用量は増加の傾向にあると思われますが、その増加率は緩やかな増加にとどまると予測されています。多くの国では、肥料を増加しても穀物生産量にそれほど増加をもたらさない状態に達しています。現在生産されている作物は、養分吸収という点で、整理学的限界に達しているとされているからです。また、化学肥料が急に増加しない要因として水不足が挙げられます。化学肥料使用量が増加すると思われる中国、インドでは、水は工業用水として取られ、さらに地下にある帯水層が枯渇しているため、農業用水が制約を受け続けるからです。

世界の化学肥料使用量
年代使用量(100万トン)一人当たりKg
1950年145.5
1960年278.9
1970年6617.8
1980年11225.1
1990年14327.1
1999年13422.3

先進諸国等では化学肥料の増加に伴う環境汚染が深刻な問題となり、過剰な投入は避けられるようになってきました。

農薬使用量
 1998年世界の農薬輸出額は114億ドルで1961年の約9倍までになりました。先進工業国の農薬輸出額は1998年で全体の85%を占めています。1998年の世界の農薬出荷額は310億ドルで、そのうち貿易額は37%でした。出荷額ベースでは、北アメリカが世界の農薬の約30%を使用しています。西ヨーロッパは26%、東アジアは22%です。しかし、出荷額が使用額と一致するわけではありません。先進国では外注を絞り込み、これまでの農薬より少量でも足りる高価な農薬を使うようになってきており、発展途上国では安価で古くからある農薬を大量使用しています。
 1haあたりの農薬使用量は、1961年には0.49kgでしたが、1995年には1.79kgまでに急増しました。最近では殆どの先進国で農薬使用量は横ばいになってきています。

世界の農薬輸出額
年代輸出額(10億ドル)
1961年1.3
1970年2.3
1980年7.6
1990年9.0
1998年11.4


地表の平均気温
 1999年の地球表面の平均気温は14.3℃と、史上最高を記録した1998年の14.58℃を僅かに下回ったものの1950年から記録されているこの気温のデーターのなかでは6番目に高く、また1866年以来の陸上気温データーでは7番目に高い気温だった。しかし、これは1999年までのダーターであり、その後かなり高い気温を体験したことは記憶に新しい。

地表の平均気温
 気温の上昇に伴い農産物では受精ができなくなるものや、高温障害などを起こすため、産地が北上してくる恐れがあります。また、最低気温の上昇に伴い、耕作地の寒冷消毒ができなくなり、病気が慢性、伝染する可能性が高くなってきています。
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年代平均気温(℃)
1950年13.84
1960年13.96
1970年14.02
1980年14.18
1990年14.40
1999年14.35


遺伝子組換え作物
 遺伝子組換え作物の全世界の作付面積は、1998年には2780万haでしたが、翌年1999年には3990万haになり、一挙に44%も増加しました。遺伝子組換え作物の大規模商業化が始まった1996年には僅か170万haでした。現在の遺伝子組換え作物の作付面積の99%は、アメリカ・アルゼンチン・カナダの3カ国に集中しています。なかでもアメリカは全世界の作付面積の72%を占めています。
 アメリカの大豆と綿の半分以上とトウモロコシの3分の1は、遺伝子組換え作物です。アルゼンチンの大豆は90%、カナダの菜種(カノーラ)の67%も遺伝子組換え作物です。これら3カ国は穀物の輸出大国なので、世界市場のトウモロコシ、大豆、菜種、綿の多くは遺伝子組換え作物ということになります。
 遺伝子操作作物(GE,GM)とも呼ばれる遺伝子組換え作物は、ウイルスや細菌などの遺伝子を組み入れたもので除草剤耐性、殺虫耐性などをもっています。リンゴからレタス、小麦にいたるまで数十種類の作物が遺伝子組換えされて商品化できる状態にあります。現在栽培されている遺伝子組換え作物は「大豆・トウモロコシ・綿・菜種・ジャガイモ・カボチャ・パパイヤ」の7種だけです。大豆が全世界の遺伝子組換え作物の作付面積に占める割合は54%、トウモロコシは28%、綿と菜種は9%です。
 現在栽培されている遺伝子組換え作物は、除草剤に耐えるように、または土壌細菌バチルス・チューリンゲシス(Bt)が生み出す殺虫成分を作物内に作り出すように、若しくはその両方を目的として操作されたものです。
 1999年には遺伝子組換え作物に対する抗議が広まり、遺伝子組換え作物を使用した食品の表示が義務付けられるようになりました。ある研究機関の発表によると遺伝子操作したジャガイモは、ラットの免疫システムと内臓を損傷するとして、人間に対してもアレルギーや毒性反応を示す可能性があるとして注目を浴びました。また、Btトウモロコシの花粉によって、オオカバマダラの幼虫が死ぬことを実験で突き止めました。他にもBtトウモロコシが作り出した毒素は、長期間にわたり有害なまま土壌に蓄積する可能性があると報告されました。
 1999年の一連の調査では、遺伝子組換え作物を採用しても有害な農薬の使用は減っておらず、農業者は依然として農薬を使用していました。

有機農業の展開
 化学薬品や遺伝子組換え作物への批判も相まって有機農業が大きく発展してきています。国連の調査では、130カ国で販売するための有機農産物を生産していることが分りました。国際有機農業運動連盟(IFOAM)は、1972年に3カ国5団体で始まりましたが、現在では107カ国750団体までに成長しています。その中でも新しいメンバーは発展途上国からの参加です。世界の有機農業実施面積は700万ha以上と推測され、有機食品の市場(畜産なども含む)は220億ドルまでに膨らんでいます。
 有機農業とは化学合成肥料や合成農薬の使用を禁止して、生態系の相互作用によって害虫の害を減らし、土壌を肥沃にするなど、またさらに作付パターンを多様化したり、頻繁に輪作したり、益虫を引き寄せたりなどして収量と質の向上を図るものです。
 有機農業の先頭に立っているのはEU(欧州連合)で、1985年以来有機農業実施面積は35倍にもなっています。1999年の有機農業実施面積は400万haで、EUの農地面積の3%にあたります。このときの有機農産物の小売市場は73億ドルに達しました。最大の有機農業実施面積を持つのはオーストラリアで、全農地面積の13%で有機と認定された170万haの土地では肉牛を放牧し、主として日本に輸出する有機畜産を行なっており、その日本の有機食品市場は35億ドルにもなっています。
 アメリカとカナダでは1990年代に有機農業実施面積が毎年20%近く拡大して、アメリカでは55万haで耕地面積の0.2%にあたり、カナダでは100万haで耕地面積の1.3%を占めるようになってきました。また、北アメリカの有機食品の市場は1999年で100億ドルになっています。                               
ワールドウォッチジャパン環境問題へのリンクです




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