<< 土壌の仕組み-15(養分保持のしくみ) | main | 会議ってなに? >>

土壌のしくみ機檻6(塩基バランス)

目次を作りました。順番に見てね

土壌のしくみ
塩基バランス
 塩基飽和度による施肥設計をするにあたっては適正な塩基バランスがあります。meに換算した比率で「石灰:5、苦土:2、カリ:1の割合」が理想的な塩基バランスです。この塩基バランスで作物にあった塩基飽和度のとき、とくに作物の品質は安定します。
 塩基バランスが崩れて苦土が少ないとリン酸が土壌にたくさんあっても吸収できないなどの障害がおこります。塩基バランスを整えると、リン酸の吸収がよくなって病害虫も少なくなり、農薬散布回数も減少します。また、土壌微生物の環境が改善され有機物の分解と腐植の生成が進み土壌の養分保持力も向上します。このように塩基バランスや飽和度が崩れた土壌に微生物資材を使っても効果はでません。施肥設計ではその作物の適正な塩基飽和度で且つ石灰・苦土・カリが5:2:1になる塩基バランスになるように、それぞれの塩基量を計算します。しかし、土壌にはすでにこれらの成分は含まれているので、土壌診断結果の数値を計算から算出した必要数値から差し引き、各成分における過不足量を算出します。不足している場合はその不足量を施し、過剰ならば施用を差し控えるのと同時にCECを向上させる施肥を実施し全体のバランスが取れるようにします。


塩基飽和度の計算
 通常土壌分析をすればわざわざ計算することなくとも分析値として表示されています。しかし、ここでは計算方法を理解してもらうことで、よりいっそうCECについての理解を深めてもらいたいと思います。
上記の塩基飽和度39.0を60%まで引き上げ、安定するバランスである5:2:1にするには各成分をどの位の量投与しなければならないか?
まず、CECは47.4meで塩基飽和度を60%にすると
47.4×0.60=28.4  が各塩基の電子容量の合計なのでこれを5:2:1の割合で配分すると
石灰は28.4×5/8=17.8というふにしていくと 

水素イオン指数(pH)
 塩基飽和度と塩基バランスの考え方は土の酸度の調整をする上でも非常に有効です。図17で塩基と水酸基の置換によりH+  を土壌中に放出し酸性化を促がす。また作物の根もイオンで呼吸しますので、コロイドは保持していた塩基と水素イオンを交換して作物に栄養を与えます。酸性化が進む発端はこのように土壌粒子に保持されている石灰や苦土などの塩基が減って、水素イオンが多くなることによって起こります。石灰などが減ると塩基飽和度が下がりCECに占める水素イオンの量が多くなることです。しかし問題となるのは水素イオンが増えることによって、アルミニウムイオンが溶かしだされて、アルミニウムイオンが土壌溶液中に水素イオンを増やして、酸性が強まるからです。酸性の害は水素イオンそのものの害でなく、アルミニウムイオンがリン酸イオンと結合してリン酸を効きにくしたり、鉄・マンガンなどを流亡させたりすることにあります。pH値を見て酸性(pH<7)だからといって炭酸カルシウムや溶リンを単にいれる方法では塩基飽和度を無視していますので塩基飽和度が高い場合には石灰やリン酸などの過剰を推し進めて土壌に混乱を招くとともに、環境にも悪影響を与えます。酸性・アルカリ性は土壌粒子のCECに占める水素イオンの量のことであるので、塩基飽和度から読み取ることができます。
塩基飽和度からみるpH
塩基飽和度pH
100%
7.0
80%6.5
60%6.5

また、各作物にあった好適な範囲があるのでそれにあったpH調整が必要です。
以上のようなことから酸性改良はpHでなく塩基飽和度で調整をしていかなければなりません。
 pHは土壌の水素イオン濃度を指数として表すもので、その測定には土に純水を加えて土壌溶液中に遊離している水素イオンを測るpH(H 2O)と、塩化カリウムを加えて土壌粒子に結合している水素イオンも溶かしだして測るpH(KCl)があります。実際の土壌診断ではKClでのpH測定が多く、KClの方が土壌全体の酸度を知ることができるのでpH(H 2O)より効果的で、pH(H 2O)よりpH(KCl)の方が、酸性度がやや高くなります。

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
recommend
recommend
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす
アメリカはなぜ「ガン」が減少したか―「植物ミネラル栄養素療法」が奇跡を起こす (JUGEMレビュー »)
森山 晃嗣, Gary F. Gordon, ゲリー・F. ゴードン
ミネラルの大切さが解かります
recommend
免疫革命
免疫革命 (JUGEMレビュー »)
安保 徹
交感神経と副交感神経の関係がわかります。
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM