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やさいの環境

目次を作りました。順番に見てね

まえがき                              
 健康を維持する為には栄養と運動が必要です。なかでも野菜と果物は重要な役割を持っています。現代人に必要なのは栄養のある新鮮な野菜と果物です。野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカルが含まれています。七大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル)のうち4つもの栄養素を同時に摂取することができる優れものです。また、イモ類には炭水化物が含まれています。これほど栄養の揃った食べ物があるでしょうか。しかし、この野菜も時代の移り変わりで作り方も変化してきており、年々栄養価は低下して来ています。 そこで今回のテーマを野菜を取り巻く環境について調べて見ました。栄養の面と摂取状況からスポットをあてて見ました。

野菜の栄養変化
 「日本食品標準成分表初版(科学技術庁,1950年)」によると、ほうれんそう100g中に含まれるビタミンCは150mgとなっています。ところが、32年経過した四訂版(1982年)では、半分以下の65mgになっています。さらに5訂版(2000年)では35mgと1950年と比べると1/4以下です。また、ビタミンAについては、1950年には8000IUだったのが1982年には1700IUに激減しています。鉄分はというと、1950年には13mgだったのが1982年には3.7mg、2000年では2.0mgと1/6以下に激減しています。春菊については1/5以下に、にら、わけぎについては殆ど鉄分を含まない状態になっています。他のニンジンやキャベツなどの野菜も、同じように色々な栄養成分が激減しています。調査の仕方によっては多少違いがあると思いますが栄養価が激減していることは間違いありません。これでは将来の野菜の栄養価はなくなってしまうのではないでしょうか。
ビタミンC 100gあたり
年代/品名ホウレン草にんじんキャベツ春菊
1950年150 10 80 50
1982年654421
2000年354119

鉄分 100gあたり
年代/品名ホウレン草にらわけぎ春菊
1950年13.019.017.09.0
1982年3.70.60.51・9
2000年2.00.70.41.7


栄養素の欠乏と消失
 今まで述べてきたように人間も自然界の一員であり、自然から発生した生物なので自然界にある栄養素を取ることが一番の健康です。しかし、その栄養は近年著しく減少してきています。私たちの口に野菜が入るまでの過程でどのくらいの栄養価が消失されているのでしょうか?もともと人類の歴史は飢えとの戦いでした。しかし文明化学の発展で人口増加が爆発的に起こりました。人口増加に伴う食料供給を賄う為に生産性を上げなければならず、また、広大な土地がありながら貧困なところも食糧事情は悪化していました。近代農業はこのようなことが背景となり発展してきました。近代行われた農業改革では、緑の革命(化学肥料生産)、種子戦争(バイオテクノロジー)、遺伝子組換え農産物(遺伝子操作)、など科学的な進歩による農業革命でした。しかし、これらは植物自体の操作であり、基本的な土壌を無視したものです。化学肥料を使う以前の日本には、肥溜めがあり人糞を醗酵させて畑に撒いていました。人体が摂取したミネラルのうち吸収されない部分は、排出されて畑に撒かれていたました。このため無意識で土から野菜、野菜から人、人から土というミネラルの循環が出来ていたのです。日本の農業には昔から循環型構造が出来ており、今で言う資源の循環型社会とちがい栄養素であるミネラルの循環構造でした。しかし、農業からこのミネラルの循環がなくなり、栄養のない大地から栄養価の少ない野菜を作っています。その野菜から健康を維持するのに充分な栄養を取ることは困難なことです。それもかなりの量の野菜を摂取しても栄養が不足することは明白です。さらに普段の食事では一緒に添加物入りの加工食品も口にしますので、せっかく摂取した野菜の栄養価も低下してしまいます。

 栄養が人の口に入るまでの過程を考えてみると
土(循環)→ 農法(農薬・肥料)→ 出荷(時期)→ 流通(距離)、輸入(農薬)→
保存(劣化)→ 店頭・販売(温度・日にち)→ 調理→ 食事です。
      ↓   
       →加工業者(加工)→販売→調理→食事
括弧書きはその段階で栄養の低下原因です。

 土壌について調べて見ると、殺菌された土壌では抵抗力(菌)を持たない作物が化学肥料で育っています。最近の新聞に乳がんの治療薬に期待が出来るものとして、このような記事が掲載されていました。「その薬の成分は大豆に含まれる「グリセオリン」と呼ばれる植物性化学物質で、もともとは大豆が自然に生み出すものだが、現在市販されている大豆食品には殆ど含まれていない。これは大豆が土壌中の病原菌やカビの攻撃を受けたときにだけ、自分の身を守る為に生成される。」とありました。現状の化学肥料による作物は、作物自体がもっている能力を使うことがなくなって来ており、過保護の虚弱体質の作物を大量に生産しているにすぎません。そのことは農業の指針でも明白です。
2004年の特別栽培農産物の新表示ガイドラインでは、
特別栽培:化学農薬、化学肥料を一定の基準以上減らす
有機栽培:3年以上化学農薬や化学肥料を使っていないもの
となっており、栄養分については一切触れておりません。しかし、有機農法の栄養面からの利点のひとつは、作物自体が外部から身を守る為に様々な酵素を自ら生成することができるということです。栄養のところで話したように人間は食物酵素を体外から取り入れる必要があります。健康な野菜が今必要とされています。土壌にミネラルが豊富に含まれていれば、作物はそのミネラルを吸収して十分な栄養を蓄え、害虫から身を守ることができるようになります。また、土壌ミネラルに関するものとして、ドイツのリービッヒ博士は、植物の構成比率より供給量の少ない元素が1種類でもあれば、植物はその最小限の元素の量までしか生長しないとしています。現在解明されている植物に必要なミネラルは16種類ですで、人体に必要なミネラルは36種類です。人間はミネラルを体外から取り入れる必要があり、この植物の16種のミネラルも欠くことができません。また、一旦植物が吸収したミネラルは人体にとても吸収率が高いのです。土壌にミネラルが如何に必要か理解して頂けたと思います。日本の有機栽培にはミネラルに関する定義はありませんが、アメリカのカリフォルニアでは40種類以上のミネラルを含む農地でなければ有機栽培と謳うことが出来ません。つまり、野菜に含まれる栄養素が低下した理由の1番目は、土そのもののミネラル不足です。栄養の循環の崩壊によるものと化学農法による化学薬品投与による土壌の栄養バランスの偏りが原因です。
 次によるのが出荷段階での問題です。市場に出荷したときに熟すように、成熟前に収穫するので栄養素は乗っていません。また、輸入ものなどは農作物が傷まないようにポストハーベスト(収穫後農薬)を使用している可能性もあります。
 次に、流通から販売までの段階ではどうでしょうか。畑から収穫されたものは泥を落とされ、洗浄され、規格に分けられて予冷されトラックに積み込まれ、衝撃を受けながら運ばれます。流通段階ではビタミン、ミネラルは時間の経過や衝撃で栄養成分が失われていきます。保存において、ビタミンCの含有量は収穫後に温度5度で1日保管した場合は、4/5に、常温では1/2程度まで減少したというデーターもあります。以前は地野菜を葉付きや泥付きで販売されていたので結果的に栄養の低下を最小限に防いでいました。しかし、交通網の発達と栽培技術の発達で季節問わずに何処でも野菜を入手することが出来るようになりました。その結果、利便性が栄養価を低下させています。栽培方法で言えばハウスによるものは、旬のものに比べかなりの栄養の差があります。
 流通の過程を経て加工業者や消費者に商品が届き、調理されて食されます。この調理の過程でも栄養価は低下します。このように考えてみると栄養の低下は避けて通ることはできません。消費者の口に入るまでの間で、如何にして栄養の低下を防ぐことを考えることが大切です。最近では野菜の輸入量は初の100万トンを超え、輸入距離は増える一方です。栄養価の高い状態で食べるには地産地消が理想です。         






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