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交通機関のCO2

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CO2】旅の季節に交通機関別の二酸化炭素排出量の比較

「私が気候変動に与える影響は、どうしたら減らせるのだろう?」―そうした気づかいをする人が増えている。そこで、個人の移動手段による排出量を比較する。






 各交通機関による排出量について、図1は、往々にして飛行機が選択されるような長距離移動における排出量を比較したもの、図2は、通勤など近距離移動の場合を比較したものである。鉄道とバスと飛行機の排出量を計算する際に結果を左右する重要なポイントは、「『平均乗車・搭乗率』(実際の乗車人数)を基にしたデータを使うか、それとも鉄道やバスや飛行機が乗車・搭乗率100%の場合を想定するか」である。そのため、ここでは、この2つの前提を上限値および下限値として、排出係数を示すことにする。たとえば、鉄道に定員と同じ数の乗客が乗っていると仮定した場合の二酸化炭素排出係数(kg-CO2/人・km)が、鉄道のグラフの下限値となる。しかし、もし実際には鉄道の乗車率が約50%でしかなかったなら、1人・km当たりの二酸化炭素排出量は2倍になり、これがこのグラフの上限値となる。

 鉄道とバスの場合に乗車率100%を仮定した計算が妥当である理由は、いくつかある。アメリカとイギリスにおいて、鉄道とバスのデータが公表されており、総燃料消費量や総走行距離、輸送量(人・km)の数値が得られる。また、鉄道やバスや飛行機の平均定員を示すデータもあったため、これを使って平均乗車率を計算することができる。たとえば、アムトラック(全米鉄道旅客輸送公社)の鉄道の場合、過去5年間の平均乗車率は定員の約36%だった。もし実際の乗客数を使って人・km当たりの二酸化炭素排出量を計算すると、乗車率100%で考えた場合よりもはるかに大きな数字になる。そこで、次の疑問がわいてくる。「鉄道の排出量と車の排出量とを比較する際には、どちらの値を使えばいいだろうか?」

 移動手段として車を選ぶと、明らかに道路を走る車が1台増え、大気中への二酸化炭素排出量が車1台分増える。これに対して、鉄道(あるいはバス)を選べば、たいていの場合は、「私」が乗らなくても運行している鉄道やバスの中で空席を1つ埋めるにすぎず、乗ったところで排出量が大きく増えることはない。鉄道やバスの時刻表はたいてい実際に走行するはるか以前に作られていて、変更されることはほとんどなく、あってもせいぜい年に数回といったところだろう。従って、個人として鉄道やバスの排出量と車の排出量とを比較する際には、乗車率100%の場合の排出量を使う方が意味があるし、一貫性を保てる。そのため、バスと鉄道については、図1と図2の「下限値」を使用することをお薦めする。

 旅客機について計算する際の前提条件として重要なのは、「燃料消費量を基にした二酸化炭素排出量に加えて、さらに航空機の排出物(窒素酸化物や水蒸気)が大気に影響を与えることを表す『放射強制力指数』を用いるかどうか」である。たとえば、航空機の排ガスに含まれる窒素酸化物は、大気上空のオゾン濃度に影響を及ぼすとともに、飛行機雲の発生によって自然の雲に変化をもたらす。イギリスの環境・食糧・農村地域省は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最近の研究成果に基づき、1.9という放射強制力指数の使用を提唱している。この指数と、アメリカおよびイギリスの国内線における実際の搭乗率(約75%)を用いた値が、図1の飛行機のグラフにおける上限値である。しかし、放射強制力指数に関しては不確実性が大きく、この指数をまったく計算に入れない機関や、中長距離フライトでのみ考慮に入れる機関もある。そのため、飛行機の排出量をほかの交通機関と比べる際には、図1の旅客機のグラフの「中間点」を用いればよいであろう。
 
  こうしてみると、鉄道とバスは一般に、自家用車よりも人・km当たりの排出量が小さいことが分かる。しかし、図1で目を引くのは、旅客機の排出量がほかの交通機関(1人だけが乗ったSUV車を除く)よりはるかに大きい点である。もし飛行機に乗らざるをえないのであれば、「カーボン・オフセットを購入する」ということを考えてみてもいいだろう。

 自家用車で移動するという選択肢は、環境面から考えると、比較的燃費の良い車に少なくとも誰か1人と同乗するのであれば、いいだろう。図1に示した中型車の高速走行時の燃費としては、一般的な多くの中型車の平均値であるリッター当たり12kmを使用している。プリウスのようなハイブリッド車の高速走行時の燃費は、環境保護局によると同19kmである。フォルクスワーゲンのジェッタなどのディーゼル車も同17kmであり、これも良い選択肢だ。

 国レベルや世界レベルで見ると、運輸部門の排出量は非常に大きな意味をもつ。私たちは、大量輸送機関を利用することや燃費の良い車に複数人で乗ることを中心に、斬新「クール文化」を構築していけるかもしれない。

ワールドウォッチジャパンより

平成22年7月7日

ワールドウォッチジャパン(08/04/15転載承認済み)

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